死後の世界で出会った僕たちは4

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mg side


sk「ほら、岩本さんも何か食べよ。あんまり思いつめたら、自分の方が具合悪くなっちゃうよ」
iw「…サンキュ」

手渡されたおにぎりを一応は手に取ったものの、包みを開けるでもなくぼんやりと深澤さんを見つめたままの岩本さん。

sk「ねえ、あれ大丈夫なの？」
dt「まあ心配だけど、今はそっとしておいてあげた方がいいかもね」
ab「そうだね」


しかし、岩本さんの必死の願いとは裏腹に、結局その日深澤さんが目覚めることはなかった。

そのうち、阿部さんが「流石に目覚めが遅すぎる」と言うので、櫻井先生を呼んで診てもらった。
阿部さんの見解は正しかったようで、櫻井先生も驚きつつ目覚めない原因を色々調べてくれたが、それもわからずじまいだった。

そんなやりとりを見て、ますます岩本さんの顔色が悪くなっていく。

『後は私が見ておきますから、皆さんも一度帰ってお休みになった方がいいと思います』
先生はそう勧めたが、岩本さんはもちろん他の皆もそうする気にはなれなかった。


しかしそうは言っても、体力の限界は容赦なく訪れる。だから俺たちは、数人ずつに分かれて仮眠を取ることにした。
俺と同じタイミングで休むことになったのは向井さんだったのだが、彼はそこで、唐突にこんな不思議なことを言い出した。

kj「なあ、前、ラウールくんが俺たちに会いたいと思ってないって話になった言うとったやろ？俺何となく思うねんけど、深澤さんが目覚めへんの、そのせいなんとちゃうか」
「どういうこと？」

kj「そもそも、9人全員が納得せんと生き返れへんちゅう条件やったやん？それに、生き返るなら9人の連携が必要って話にもなったやろ？
だったら、9人がちゃんと同じ方向を向いとらん今の状況じゃ上手く行かへんってことなんかなって思てん」


科学的根拠ゼロの突拍子もない話だとは思ったが、生き返ったこと自体が既に普通には起こり得ない話なのだから、向井さんを真っ向から否定することも出来なかった。
それどころか、やはり彼に言われると、何となくそれが真実のような気がしてくるのだった。

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