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mg side
「あの、彼の連絡先とかわかりませんか」
『知ってるけど…なんで阿部くんを探してるの？』
「…ちょっと事情があって。目黒蓮が会いたいと言っているって伝えてくれればわかりますから、連絡とってもらえませんか」
まさか死後の世界で会ったんですとも言えず、何とか誤魔化して頼み込む。
俺があまりに必死だからか、彼は不思議そうな顔をしながらも阿部さんに連絡を入れてくれた。
幸い、返事はすぐに来たらしい。
『なんか阿部くんめちゃくちゃ焦ってんだけど。何があったか知らないけど、とりあえず正門の前で待ってるらしいから行ってきな』
彼はそう言うと、ニコニコと優しい笑みを俺に向けてくれた。
「ありがとうございます！」
俺は彼に向かって勢いよく頭を下げる。
『コーチ！何してんの、行くよー』
『悪りぃ、今行く！…じゃあね、目黒くん』
コーチさんと呼ばれた彼は、その言葉を最後に友達の元へ戻って行ってしまった。
まあとにかく、彼がいい人でよかった。彼のおかげで、阿部さんに会える。
しかし、あの世界で話してからそんなに時間も経っていないのに、いざ現実の彼と会うとなると少し緊張してしまう。
今まで必死すぎて意識していなかったけれど、阿部さんとは向こうで諸々の舌戦を繰り広げた仲だ。
俺は何故、よりによって最も「相性の悪い」相手を初っ端に選んでしまったのだろうか。
もちろん、今は彼もお兄さんを止めることに協力する気でいてくれているはずだし、俺の方も姉の事件の犯人への復讐心は捨てた。
けれど、それにしても多少は気まずい。
(会ったら何を話そうかな…)
俺は期待と不安の入り混じった気分で正門へと向かった。
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わかめ(プロフ) - chacoさん» コメントありがとうございます。そこまで言って頂けるとは…今心臓がものすごくバクバク鳴ってます！笑 引き続き楽しんでいただけたら嬉しいです。 (2020年6月10日 20時) (
レス) id: ebf6dbcbb7 (このIDを非表示/違反報告)
chaco(プロフ) - はじめまして、コメント失礼します。本当にこのお話が面白くて、書籍化して手元に置いておきたいくらい大好きです。毎日更新楽しみにしてます。これからも頑張ってください！ (2020年6月9日 22時) (レス) id: c6e12b87e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わかめ
| 作成日時：2020年6月3日 0時
