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mg side
例の医大までは、電車でたった2駅。
こんなに近くに住んでいたのなら、以前どこかで彼とすれ違っていたとしても全く不思議ではない。
しかし、あの世界で出会うまで、俺は阿部さんのことなど全く認識していなかった。
もちろん、向こうにとっての俺も同じことだろう。
しかし、俺が死んでしまったすぐ後に通り魔事件が起こり、それを機に彼の方は意図せず超有名人になってしまった。
もしかしたら、俺の友達や知り合いの中にも、彼を中傷した人がいたかもしれない。
それどころか、俺自身も、生きていたらそんなことをしてしまっていたかもしれない。そう思うと、何だか背中がゾワっとした。
そんなことを考えている間に、あっという間に医大に着いた。
流石に立派な建物で、通る人もいかにも優秀そうな人ばかり。まだ高校生の俺には場違いなところのように思われた。
しかし、年上に見られがちな容姿が幸いしてか、誰に声をかけられることもなく、案外すんなりと構内に入ることに成功して拍子抜けする。
そこさえクリアしてしまえば、後はこっちのものだった。
目についた人にひたすら「阿部亮平という人を知らないか」と問いかけてまわる。
時には思いっきり不審そうな顔をされたけれど、そんなことは全然気にならなかった。
俺は勉強はからっきしダメだけれど、こういう度胸と根性で何とかなることは得意なのだ。
そうして声をかけ続け、30分ほど経った頃だっただろうか。
『阿部くんなら英語同じクラスだけど』
ついに、彼のことを知る人が見つかった。
これはなかなか早かった方ではないだろうか。
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わかめ(プロフ) - chacoさん» コメントありがとうございます。そこまで言って頂けるとは…今心臓がものすごくバクバク鳴ってます！笑 引き続き楽しんでいただけたら嬉しいです。 (2020年6月10日 20時) (
レス) id: ebf6dbcbb7 (このIDを非表示/違反報告)
chaco(プロフ) - はじめまして、コメント失礼します。本当にこのお話が面白くて、書籍化して手元に置いておきたいくらい大好きです。毎日更新楽しみにしてます。これからも頑張ってください！ (2020年6月9日 22時) (レス) id: c6e12b87e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わかめ
| 作成日時：2020年6月3日 0時
