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mg side
勢いよく家を飛び出したはいいものの、すぐに気付いてしまった。
どこに行けば誰に会えるのか、全く見当がついていない。
生き返ると決まってから実際にここに来るまでは本当に一瞬だった。だから、皆とそんな打ち合わせをする暇もなかったのだ。
こんなことなら、あの世界にいる間にもっときちんと皆のことを聞いておけばよかった。
今更ながらにそんなことを後悔する。
とはいえ、そんなことをいつまでも考えていても仕方がない。とりあえず動き出さなければ。
じゃあ、手っ取り早く会いに行けそうな人は誰だろうか。
少なくとも向井さんは関西にいるから、すぐには無理だ。
一方、他のみんなは多分関東の人だろう。
そして、正確な年齢こそわからない人もいるものの、多分(ラウールくんを除いて)今は高校生か大学生のはず。
そこまでわかって、ガムシャラに足で稼ぐことも考えたけれど、いかんせん数が多すぎる。
一刻も早く皆とコンタクトをとりたいこの状況の中、ローラー作戦で人探しをするのは得策ではない。それくらい俺でもわかる。
じゃあ、何かヒントになるようなことは…
俺は必死に、あの世界での会話を思い起こした。
そして辿り着いたのが、「素能町通り魔事件」というワードだった。
阿部さんのお兄さんがこの素能町で事件を起こしたということは、きっと阿部さんの実家はこの近くにある。
あくまで推測だが、引きこもりだったお兄さんがわざわざそのために遠くの町まで出かけたとは考えにくいからだ。
加えて、阿部さんは地元で一番の医大に行ったと言っていた。
このあたりで有名医大といえば、候補は一つ。
そこにいないとすれば、残された可能性は彼がまだ高校生のパターンくらい。
それでも、あの医大に受かるくらい優秀な人なら、進学校を2つ3つ当たればヒットしないはずはない。
(まずはそこからだな…)
俺は「よし」と小さく気合を入れると、駅へと歩き出した。
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わかめ(プロフ) - chacoさん» コメントありがとうございます。そこまで言って頂けるとは…今心臓がものすごくバクバク鳴ってます！笑 引き続き楽しんでいただけたら嬉しいです。 (2020年6月10日 20時) (
レス) id: ebf6dbcbb7 (このIDを非表示/違反報告)
chaco(プロフ) - はじめまして、コメント失礼します。本当にこのお話が面白くて、書籍化して手元に置いておきたいくらい大好きです。毎日更新楽しみにしてます。これからも頑張ってください！ (2020年6月9日 22時) (レス) id: c6e12b87e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わかめ
| 作成日時：2020年6月3日 0時
