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検査の段階で、やはりふっかの病気はある程度転移が進んでいた。
だから、櫻井先生の元でもすぐに手術とはいかず、準備として一定期間は化学療法を行ってから手術の方が良いという判断がなされた。
ふっかからその話を聞いた時、俺はまた前と同じことになるんじゃないかと心配で仕方なかった。
櫻井先生は、これはあくまで手術のための治療だからと言ってくれたが、やはり化学療法で衰弱していくふっかを見ていると、もしかしたらこのまま…という疑念は拭えなかった。
手術が出来る状態になるのが先か、ふっかの体力が持たなくなるのが先か…
だからというわけでもないが、結局俺は転院前とそう変わらないペースでふっかの病室を訪れていた。
fk「また来たのー？転院したらなかなか会えなくなるねって言ってたはずなんだけどな」
「むしろ頻度上がってるかもな」
fk「遠いんだから無理しなくてもいいのに」
「何だよ、来て欲しくないのかよ」
fk「うそうそ、嬉しいよ」
そうして昔の思い出話やサークルの奴らのバカ話で盛り上がったり、たまにスイーツなんかを買っていって一緒に食べたり、なるべく楽しい時間を過ごせるようにと、そればかり考えていた。
話に聞くところによると、その思いは皆も同じようだった。
病室で集合したあの日以降、俺には流石に及ばないものの、それぞれが何度となく彼の病室に顔を出しているというのだ。
しかし、ラウールくんの消息だけは結局つかめないままだった。
『これなら、手術も可能だと思います』
化学療法に目処がつき、櫻井先生がそう言ってくれた時はもちろん嬉しかった。
しかし、手術の難易度を考えると、やはりラウールくんに会えていないことは心残りだった。
だから、俺も皆も何とかしてラウール君を見つけようと奔走した。
しかし、その努力が身を結ぶより前に、ついにふっかの手術の日がやってきたのだった。
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わかめ(プロフ) - chacoさん» コメントありがとうございます。そこまで言って頂けるとは…今心臓がものすごくバクバク鳴ってます！笑 引き続き楽しんでいただけたら嬉しいです。 (2020年6月10日 20時) (
レス) id: ebf6dbcbb7 (このIDを非表示/違反報告)
chaco(プロフ) - はじめまして、コメント失礼します。本当にこのお話が面白くて、書籍化して手元に置いておきたいくらい大好きです。毎日更新楽しみにしてます。これからも頑張ってください！ (2020年6月9日 22時) (レス) id: c6e12b87e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わかめ
| 作成日時：2020年6月3日 0時
