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ab「同じ兄弟絡みの話だったのに、宮舘さんには随分差をつけられちゃったなぁ」
お兄さんの件が難航しているらしい阿部さんが、そんな風にぼやいた。
しかし、別に俺は大したことはしていない。翔太の脱出成功は、佐久間さんとの偶然の出会いという奇跡の上に成り立っているだけだ。
しかし、俺がそう言うと、翔太は即座にそれを否定した。
nb「違うでしょ。涼太が母親のことフォローしてくれてるから、俺は平和に暮らせてんの」
kj「母親のフォロー？」
「いや、フォローって言っても、別に俺は今まで通りに暮らしてるだけなんだけどね。強いて言えば、翔太がやってた家事をちょっとやってみてるくらい」
そうなのだ。
母は、最初だけは翔太が勝手にいなくなったことにキレていた。
連れ戻そうとしたのか、俺にもしつこく居場所を聞いてきて大変だったけれど、もちろん俺は知らぬ存ぜぬを突き通した。
そして、辛い目に遭う翔太を見ていられなかったこと、翔太のためにも母のためにも別々に暮らした方がいいと俺が提案したこと(これは方便だが)を伝えると、もうそれ以上は何も言われなかった。
以前にも母に抗議していたことが功を奏し、流石に後ろめたい気持ちになったのだろうか。それとも、自分のためと言われて喜んでいるのだろうか。
はたまた、息子がそう言うなら従わないと嫌われてしまう…なんて、計算が働いたのだろうか。
真意は分からないが、母が翔太に手出しさえしなければ、そんな事はどうでもよかった。
後は、翔太との再出発のときまで何事もなく過ごせるよう、母のご機嫌取りをしていればいい。
翔太はこれが大の苦手だったようだが、俺にとってはそこまで苦でもない。
だから、阿部さんが俺と自分を比べて落ち込む必要などないのだ。
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わかめ(プロフ) - chacoさん» コメントありがとうございます。そこまで言って頂けるとは…今心臓がものすごくバクバク鳴ってます！笑 引き続き楽しんでいただけたら嬉しいです。 (2020年6月10日 20時) (
レス) id: ebf6dbcbb7 (このIDを非表示/違反報告)
chaco(プロフ) - はじめまして、コメント失礼します。本当にこのお話が面白くて、書籍化して手元に置いておきたいくらい大好きです。毎日更新楽しみにしてます。これからも頑張ってください！ (2020年6月9日 22時) (レス) id: c6e12b87e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わかめ
| 作成日時：2020年6月3日 0時
