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kj side
そこからは、まるで夢の中にいるような感覚だった。
向こうの世界で鳥が見えたように、今度はしとしとと降る雨が見えたり、力強い虎が見えたり。
真っ黒な渦に飲み込まれたかと思えば、おもちゃの国にやって来たような錯覚に陥ったり。
目まぐるしく変わる景色に、自分の今いる場所さえ現実のものなのか怪しいような気がしてくる。
なんなんだ、この感覚…
生身だからか(というのも変な話だが)、あの時よりもさらに強く引き込まれている気がする。
気づけば演目は終わっていたが、俺は夢の過剰摂取とでも言うべきあまりの出来事に、しばらく席を立つことが出来なかった。
『康二くん、大丈夫？』
それでも、紫耀のお母さんがかけてくれた声に何とか答えると、俺は2人と待ち合わせているロビーへと向かった。
sk「え、向井さん大丈夫？」
「いや、自分らのせいやし…2人とも凄かったわ」
sk「にゃは、ありがと！」
よほど呆けた顔をしていたのか、会うなり佐久間さんにも同じことを言われ、感動の再会もへったくれもない。
しかし、俺がちょっと膨れて見せると、彼は途端に破顔して喜びをあらわにした。
すると、今度は隣にいた紫耀が膨れ出す。
『とか言って、佐久間さんもステージ裏でぶっ倒れそうになってたじゃないですか』
sk「ごめんごめん、気合入り過ぎちゃって… 気づかないうちに消耗してたっぽい」
『はあ、また…踊ってる間の記憶もないとか言うし、これでも結構心配してるんですからね！』
やはり、佐久間さんの憑依力はこの世界でも変わらないらしい。
だからこそあんなダンスが出来るのだろうが、確かにこれでは体の方も少々心配なような…
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わかめ(プロフ) - chacoさん» コメントありがとうございます。そこまで言って頂けるとは…今心臓がものすごくバクバク鳴ってます！笑 引き続き楽しんでいただけたら嬉しいです。 (2020年6月10日 20時) (
レス) id: ebf6dbcbb7 (このIDを非表示/違反報告)
chaco(プロフ) - はじめまして、コメント失礼します。本当にこのお話が面白くて、書籍化して手元に置いておきたいくらい大好きです。毎日更新楽しみにしてます。これからも頑張ってください！ (2020年6月9日 22時) (レス) id: c6e12b87e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わかめ
| 作成日時：2020年6月3日 0時
