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mg side
ab「…それ、どっかで聞いた」
「流石、覚えてるんだ」
ab「うん、覚えてるよ。あれでしょ？向こうの世界で事件を止めようって話になった時に言ってくれたやつだよね？」
「そうそう。あれ、阿部さんはきっと作戦のうちだったって思ってるんだろうけど…というかぶっちゃけあの時は半分作戦だったのも事実だけど、今は心からそう思ってるよ」
ab「…本当？」
疑り深いところはあの時と変わっていなくて、全く勘弁してくれって感じだ。
まあ、あの時の俺は事実隠しごとをしていた訳だから、阿部さんがこうなるのも仕方がないのかもしれないけれど。
「本当だよ。こっちに戻ってきて、阿部さん本当に頑張ってるんだなぁって思う。
お兄さんのことも、深澤さんたちを探したことも、深澤さんの病気の治療について調べてくれてたことも」
考えてみれば、そもそもが人を助ける医者という職業に魅力を感じる人だし、それを目指して猛勉強するくらいの努力家だ。
この世界に戻ってきてから、頭で想像するしかなかった彼のそういう姿を目の当たりにした。だからこそ彼との距離が縮まったのだ。
少々鈍感だったり、論理にものを言わせるところはあるにせよ、今となっては彼が悪い人だとは到底思えなかった。
お兄さんだって、阿部さんのその姿勢は感じているはずだ。
阿部さんは恨まれていると言ったけれど、本当にそうだろうか。
これはあくまで想像だが、自分の存在を認めて欲しい一方で、自分はダメな人間だと自己嫌悪に苦しんでいるだけではないのか。
つまり、結局彼ら兄弟は同じなのだ。
だから、阿部さんがお兄さんの心を溶かす言葉を見つけられれぱ、お兄さんは外に出てきてくれるような気がする。
俺の起爆剤という言葉が悪くて、皆何だか大掛かりな荒療治をするように思ったらしいけれど、そんな必要はない。
起爆剤、もとい、お兄さんが望むキーワードさえわかればいい。
そして、俺の想像が正しければ、そのキーワードは、今阿部さんが俺にかけて欲しい言葉そのものだ。
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わかめ(プロフ) - chacoさん» コメントありがとうございます。そこまで言って頂けるとは…今心臓がものすごくバクバク鳴ってます！笑 引き続き楽しんでいただけたら嬉しいです。 (2020年6月10日 20時) (
レス) id: ebf6dbcbb7 (このIDを非表示/違反報告)
chaco(プロフ) - はじめまして、コメント失礼します。本当にこのお話が面白くて、書籍化して手元に置いておきたいくらい大好きです。毎日更新楽しみにしてます。これからも頑張ってください！ (2020年6月9日 22時) (レス) id: c6e12b87e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わかめ
| 作成日時：2020年6月3日 0時
