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ab side
「あんな苦しそうな顔するなんて、兄ちゃんやっぱり俺のこと恨んでるんだと思う。
今更、自分がどれだけ罪深かったのかわかった。俺、兄ちゃんのこと気にしてるフリして全然気にかけてなかった。
だって、兄ちゃんが飲み込んじゃった言葉、大方恨み言だと思うけど、きっと何年もの間ずっと言いたかったことだろうに、俺それすら察してあげられてなくて…」
上手く話せていないのは自分でもわかっているけれど、それでも目黒さんは、時々うんうんと相槌を打ちながら聞いてくれている。
「…なのに、ちょっと冷たい態度を取られたからって悲しくなって、自分が招いた出来事で自分で嫌な気分になって、俺って勝手だなぁって」
mg「だから、嫌になっちゃったんだ」
「うん…ごめんね、こんな話。目黒さんだって聞きたくないよね。忘れて」
mg「いや、俺は別に」
「ありがと。でも大丈夫、俺またちゃんと頑張るから。じゃまたね、遅くに本当ごめんね」
mg「待って切らないで」
やっぱり申し訳なくなって、有無を言わさず電話を切ろうとする俺の手を、目黒さんの声が止めた。
mg「少しだけ聞いてくれる？俺へのお返しとでも思ってさ」
「うん」
俺が仕方なく頷くと、彼が電話の向こうで少し息を吸う気配がした。
さっきまで「一喝してくれそう」なんて偉そうに言っていたのに、彼の優しさを感じてしまった今となっては、そうされるのも辛い気がする。
かと言って、彼が言葉を尽くして俺の言い分を否定してくれるイメージもわかず、少し身構えてしまう。
しかし、結果はそのどちらでもなかった。
俺の耳に届いたのは、酷く真っ直ぐで、そして粋な言葉ただひとつだった。
mg「俺は、阿部さん悪い人じゃないと思うよ」
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わかめ(プロフ) - chacoさん» コメントありがとうございます。そこまで言って頂けるとは…今心臓がものすごくバクバク鳴ってます！笑 引き続き楽しんでいただけたら嬉しいです。 (2020年6月10日 20時) (
レス) id: ebf6dbcbb7 (このIDを非表示/違反報告)
chaco(プロフ) - はじめまして、コメント失礼します。本当にこのお話が面白くて、書籍化して手元に置いておきたいくらい大好きです。毎日更新楽しみにしてます。これからも頑張ってください！ (2020年6月9日 22時) (レス) id: c6e12b87e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わかめ
| 作成日時：2020年6月3日 0時
