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ab side
慌ててディスプレイを見ると、そこにはやはり「目黒蓮」の文字。
(待って待って、心の準備が…！)
自分から連絡しておいて動揺してしまう。途端にバクバクとなる心臓をおさえ、震える指で何とか通話ボタンを押す。
「…もしもし？」
mg「どしたの、こんな夜中に。珍しいじゃん」
俺とは対照的に、目黒さんは慌てる様子もない。
「あ、うん、ごめんね。起こしちゃったよね？」
mg「…いや、たまたまテレビ見て夜更かししてたから平気」
彼は否定したけれど、それは多分嘘だ。眠そうな声と、答えるまでの妙な間が物語っている。
そういうところ、やっぱりこの人は案外優しい。そして今はその優しさが嬉しくて、少しだけ、痛い。
「別に至急の用があるってわけじゃないんだけど…」
mg「それでこんな時間に電話してくる？普通」
「ごめん」
mg「あー、いや、そうじゃなくて。何かあったんでしょ？」
「…兄ちゃんと鉢合わせた」
mg「わざわざ鉢合わせたって言い方するってことは」
「そう。出てきてくれた訳じゃない。たまたま出くわした」
そして、寝起きのふわふわした頭のくせに、察しの良さや気まずい場面でもフラットに聞いてくる潔さは相変わらずなのだから敵わない。
俺が辿々しくも一通りの出来事を話すと、目黒さんは少し考えた後、こう返した。
mg「でもそれ、少なくとも悪いことじゃないように聞こえるけど」
そう言われて返事に困る俺。
その様子にまた何かを察したのか、続きはわざとさっきよりも優しさを混ぜたようなトーンで聞いてくる。
mg「どうして嫌になっちゃったのか、聞かせて…？」
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わかめ(プロフ) - chacoさん» コメントありがとうございます。そこまで言って頂けるとは…今心臓がものすごくバクバク鳴ってます！笑 引き続き楽しんでいただけたら嬉しいです。 (2020年6月10日 20時) (
レス) id: ebf6dbcbb7 (このIDを非表示/違反報告)
chaco(プロフ) - はじめまして、コメント失礼します。本当にこのお話が面白くて、書籍化して手元に置いておきたいくらい大好きです。毎日更新楽しみにしてます。これからも頑張ってください！ (2020年6月9日 22時) (レス) id: c6e12b87e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わかめ
| 作成日時：2020年6月3日 0時
