頭脳か、それとも ページ22
fk side
「ちょっとちょっと、ストップ！」
阿部さんに引っ張られた腕が痛んで、思わず声をあげる。
ab「あ、ごめん、つい…」
そう言って笑う阿部さんは、しかしどこか楽しそうだった。
ab「だって、ついに2人に会えたからさ。嬉しかったんだもん」
なんて言い訳しつつ、はしゃぎ気味で俺たち2人を案内する。
着いた先は学食のテーブル。
そしてそこには、驚いたことに、いつの間にか阿部さんと距離を縮めたらしい目黒さんの姿もあった。
iw「え、お前もいんの」
mg「ひっどい…阿部さんも深澤さんたちも、見つけたのは俺なんすからね」
iw「そうなの？！」
mg「あと、今日はいないけど、向井さんとも連絡ついてる」
「まじか、やるじゃん」
それをきっかけに、話題は彼らが俺たちに辿り着くまでの話に移った。
「何でここがわかったの？」
ab「聞きたい？俺ら、これでも結構頑張ったのよ」
聞けば、目黒さんが阿部さんに会いに行ったのは、この世界に戻ってきて初っ端も初っ端のことだったらしい。
それで、2人で話すうち、俺の誘拐事件のことに思い当たって調べ始めたのだと。
ab「で、当時の新聞記事とかめちゃくちゃ漁ってさ…やっとこさ、この町に住んでたらしいってことだけは掴んだんだ」
「けど、それにしても、そっから先はどうしようもないだろ」
ab「と思うじゃん？俺も泥臭い聞き込みしなきゃいけないかなぁって覚悟はしてたんだけど…」
そこで阿部さんは、わざとらしいニヤついた笑顔で目黒さんの方をうかがう。
その真意が掴めず不思議に思っていると、目黒さんは一瞬阿部さんを睨んだ後、こんなことを言い出した。
mg「商店街の肉屋さんのおばちゃん」
「え？」
ab「目黒さんがうるうるした目で聞いたら、すぐに教えてくれたよ？誘拐事件のことも、今深澤さんがどうしてるのかってことも」
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わかめ(プロフ) - chacoさん» コメントありがとうございます。そこまで言って頂けるとは…今心臓がものすごくバクバク鳴ってます！笑 引き続き楽しんでいただけたら嬉しいです。 (2020年6月10日 20時) (
レス) id: ebf6dbcbb7 (このIDを非表示/違反報告)
chaco(プロフ) - はじめまして、コメント失礼します。本当にこのお話が面白くて、書籍化して手元に置いておきたいくらい大好きです。毎日更新楽しみにしてます。これからも頑張ってください！ (2020年6月9日 22時) (レス) id: c6e12b87e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わかめ
| 作成日時：2020年6月3日 0時
