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ab side
mg「阿部さんってもうスマホ？俺まだガラケーだし、そういうのやってないから、阿部さんちょっと探してみてよ」
「あ、うん…」
そうか、そういうのが浸透し始めたのも、確かこの時期だったな。
しかし、俺はいち早くスマホユーザーにはなっていたものの、SNSには疎くて、まともに活用出来ているのはLINEくらいだった。
あたふたとスマホと格闘する俺の姿を見て、彼もそれを察したらしい。
mg「ちょっと貸して」
そう言うなり俺の手からスマホを取り上げると、凄い速さで操作し始めた。
mg「…見つけた」
そう言って差し出された画面の中では、「Koji Mukai」と記されたアカウントに大量の写真がUPされていた。
殆どが風景写真か友人らしき人々の写真だが、数枚、家族旅行の時に自撮りしたらしい写真があった。
そこに映る顔は、まさに向こうの世界で見た向井さんの顔そのものだった。
「久しぶり。阿部です。元気？」
周りに怪しまれないようにそんなメッセージを送り、彼からの返事を待つ。
その間に、俺たちは作戦会議に戻る。
mg「実名でヒットしたのは向井さんだけだった」
「そっか、ありがとう」
mg「でも向井さんって関西だし、今は連絡取る程度しか出来ないよね」
そう言われて頷きを返す。
そう、向井さんと繋がれたところで、そこから先の進展は見込めないのだ。
何か、何か他にヒントはなかったか…もう一度、頭から考え直してみようか。
目黒さんが俺の居場所を突き止めたのは、事件の話を聞いていたから。…ん、事件？
「ひとつ、方法があるかもしれない」
mg「え、なに？」
「大学に戻って、図書館で新聞を漁る」
mg「どういうこと？」
突破口を見つけてテンションの上がる俺とは裏腹に、目黒さんの顔には未だはてなマークが浮かんでいた。
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わかめ(プロフ) - chacoさん» コメントありがとうございます。そこまで言って頂けるとは…今心臓がものすごくバクバク鳴ってます！笑 引き続き楽しんでいただけたら嬉しいです。 (2020年6月10日 20時) (
レス) id: ebf6dbcbb7 (このIDを非表示/違反報告)
chaco(プロフ) - はじめまして、コメント失礼します。本当にこのお話が面白くて、書籍化して手元に置いておきたいくらい大好きです。毎日更新楽しみにしてます。これからも頑張ってください！ (2020年6月9日 22時) (レス) id: c6e12b87e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わかめ
| 作成日時：2020年6月3日 0時
