死後の世界で出会った僕たちは2

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mg side


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姉は俺の自慢だった。

早くに両親をなくし、親戚にも冷たく当たられた俺にとって、姉だけが唯一信じられる家族で、親代わりのようなものだった。

幼い頃から俺の世話をしてくれて、料理なんかもすごく上手だったし、何より、いくら生活が苦しくても俺の前では明るく優しい姉でいてくれた。
それに、俺が悪いことをした時にはちゃんと叱ってくれた。
そんな姉のおかげで、俺は楽しく生活出来ていた。


しかし一方で、俺がいるせいで姉が苦労しているのだという思いも心のどこかにあった。

俺にばかり色々なものを買ってくれようとして、自分は服も化粧もいつも最低限。友達と遊びに行くこともなくバイト漬けの日々。
もちろん俺だって、少しは家計の足しになるように働いたり、家事を手伝ったりしたけれど、幼い俺に出来ることなんてたかが知れていて、効果はあるんだかないんだかわからないような感じだった。


そんな姉と、唯一大喧嘩したのが、姉が高校3年生の時のことだ。

姉は、これ以上親戚に迷惑はかけられないからと、高校を卒業したら働くつもりでいた。
しかし、幼稚園の先生になるという姉の密かな夢を知っていた俺は、大学に行くように言って聞かなかったのだ。

姉に自分の幸せを掴んで欲しいと思って言ったことだったけれど、今思えば、姉の気持ちを考えない軽率な言葉だったと思う。

しかし、結果として折れたのは姉の方だった。
『蓮、ありがとう。私、簡単に夢を諦めようとしてた。でももう一回頑張ってみるから、もう少しだけ一緒に頑張ってくれる？』

もちろん、俺の答えはyesだった。

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