死後の世界で出会った僕たちは2

. ページ25

nb side


「ねえ、目黒さんはさ、死ぬ前までは普通に幸せな生活をしてきたんでしょ？だったら、辛い目に遭った俺たちの気持ちなんてわからないんじゃないの」

思わずそう聞いてしまった俺に、目黒さんはさっき阿部さんに向けたような華やかな笑顔をつくって言った。

mg「そっか、そんな俺にこんなことを言われたら、気に障りますよね。…でも、俺にだっていますよ、許せない人くらい」

その笑顔を見ていると、こちらが質問しているはずなのに、何故かこちらの方が見透かされてしまっているような錯覚に陥る。
かっこいいけれど、やはりどこか恐ろしい。


しかしその力も、唯一、隣に座る彼の前では通じないようだった。

iw「許せない人って、どういうこと？…ってかさっきから思ってたんだけど、お前何か隠してるだろ。ちょくちょく不自然な発言してる」

職業病なのだろうか、あくまで冷静に突き詰める岩本さん。
だが目黒さんも怯むことなく、笑顔を固めたままのらりくらりとかわそうとする。

mg「えー、隠し事なんて何もないっすよ。酷いなぁ…」
iw「いや、絶対何かある」
mg「刑事のカンってやつですか」
iw「悪いが、これが案外よく当たるんだよ…もしかして、亡くなった時のこと覚えてるとか」
mg「まさか」

しかしそこで、一瞬目黒さんの瞳が揺れた。

iw「お前殺されたんだろ。その犯人、わかってるんじゃないか」
mg「いや…」

iw「その顔は図星だな。
教えてくれよ。もし生き返ったら、場合によっては、警察官としてお前の死を防げるかもしれないし」
mg「…」

dt「隠すことないんじゃないの？生き返るなら、岩本さんの力を借りた方がいいよ」
mg「…」

ru「もしかして、生前何か悪いことでもしてた？それで恨みを買って殺されたとか」

願ってもない話のはずなのに口を閉ざす目黒さんに、みんな次第に疑いの目を向ける。

それでも彼は黙ったままだった。
しかし、膠着状態が続くかと思われたその時、佐久間さんが呟いた。

sk「ねぇ、それ、お姉さんのことと関係してる…？」

.→←.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す