死後の世界で出会った僕たちは (ページ17)

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追い詰められてページ17

kj side

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入社式の日、久々にスーツを着込んだ俺は、ワクワクする気持ちを抑えきれずにいた。

大学の頃からずっと夢だった総合商社への内定が決まったのは、半年と少し前。
オフィスは東京だから、大学卒業を機に地元関西から出てきて一人暮らしを始めた。そして、今日からは立派な社会人だ。

いつもなら眠たいばかりのお偉いさんの話にも、今日くらいはバッチリ気合を入れて耳を傾ける。
それによると、1週間の研修を経て、そこでの頑張りと適性を見て配属を決めるということだった。

俺の第一志望はエネルギー部門。
商社の中でも花形で、競争率もそれなりに高いはずだった。
だから俺は、なんならちょっと空回りしていると思われるくらい、それはそれはガムシャラに研修に取り組んだんだ。

その甲斐あって、俺は同期のライバル達を破り、希望通りエネルギー部門への配属を勝ち取った。
しかし、今思えばそれが、地獄への第一歩だったのだ。

配属先の直属上司は、仕事は出来るが、その分部下にはものすごく高圧的な態度で接する人だった。

『おい新人、お前こんなことも出来ないなんて、頭空っぽなんじゃないのか』
『ちょっとくらいは俺の役に立つ仕事をしたらどうなんだ』

それからは、仕事を教えてもらえないどころか、俺の名前すらも覚えてもらえないまま、訳もわからず怒鳴られる日々が続いた。

流石に参って先輩達に相談しようとしたのだが、彼らも自分のことで手一杯で相手にしてもらえない。
同期も同期で、ライバルを押しのけて花形部署に行った俺は皆からなんとなく距離を置かれていて、相談できるような人は誰もいなかった。