死後の世界で出会った僕たちは (ページ12)

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ふっかがいなくなってしまったという事実は、俺にとって到底受け入れられるものではなかった。
俺はそこから数日間狂ったように泣き続け、その涙すら枯れてしまった後は、何をするでもなく上の空で日々を過ごしていた。

しかし、ある日のこと、俺はふと思い出したんだ。亡くなる直前、ふっかが俺にこんな言葉をのこしていたことを。

fk「照、俺の分まで全力で生きてくれよ」

その頃の俺は、大学生活も折り返し地点を過ぎ、進路に迷っていた。
それまで特に明確な夢や目標もなく、流されるままに生きてきた俺は、あんな辛い状況でも夢を語りひたむきに生きたふっかと自分を比べ、猛烈に自分を恥じた。

しかし、そこで俺は思いついたのだ。
このまま何となく生きていくくらいなら、警察官になるというふっかの夢を、俺が引き継いで叶えてやろう、と。

幸い、俺は元々体格や身体能力には恵まれていた。
ペーパーテストの方は多少苦労したものの、一気に集中して勉強したのが功を奏して、無事に警察学校に入ることが出来た。
そこでの訓練も厳しかったけれど、ふっかが病気と闘ってきた苦しさのことを思えば、そんなことくらい軽々と耐えられた。

おかげで俺は、警察学校を上位数人の成績優秀者として卒業し、晴れて警察官になったのだ。

そして、それから数年が経った頃、俺の配属された地域である事件が起きた。
その事件とは、ニュースで聞いたことがある人もいると思う、素能町通り魔事件だ。