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暗い。
暗い。
ぬるま湯に沈められたかのような、海の泡にでもなったかのような。
ただ、浮遊感となんとも言えない嫌悪感を感じる。
前が見えなくて、光がなくて。
閉ざしていた瞼を開ける。
目の前には、散らばった大量のおもちゃ。つみき、ミニカー、パズル等。
それぞれが光を失っており、ただ真っ黒で、不気味な世界観を作り出している。
それに手をつけることも無く、ボーッとただ眺める。すると、その世界がぐにゃりと曲がった。
亀裂が入ったガラスのように、世界をそのものとして認識出来なくなった。
それでも動じることは無く、ただただその光景を傍観していた。
「おや、随分と早いお目覚めだね。NO.2」
ドスの効いた、それなのに猫なで声な話し方をする黒スーツの男が、目の前に現れる。
光が差し込んで、眩しかった。暗かった世界に亀裂を入れた。
歪んだ。世界がぐにゃりと歪んだ。
その男の顔でさえも、よく分からない。
ただ、ただ揺れて、歪んで。
「…毎回そんな風に泣かれると、流石の僕も良心が痛むなあ」
口角を上げたまま、そう呟く男性。
先生、昔そう呼べと言われた。この人は先生。
気味の悪い大人達に囲まれていた時期に、助けてくれた人、と教えられた。
自分がいつからここにいるのか分からなかった。ただ、気がついたときにはここにいて。それが当たり前になっていた。
だから、悪い大人に囲まれていた時期があったのも知らなかったし、自分がいつから先生と呼び始めたのかさえ分からない。
先生は私に近付くと、しゃがんで目線を合わせてくる。
更に世界が歪んだ。もう原型も残らないほど。
「はは、そんなに怖いのかい？まあ無理もないよね。君だけは僕の個性が使えないんだから、直接弄るしかないからね」
と言って乾いた笑いをこぼす先生。
怖くなんかない、と反論しようとしても、はくはくと口から息が漏れ出すだけで喋れない。
「あれ、昨日は声を出していたよね……少し問題が起きているようだ。ごめんね、なんせ個性無しで人間を弄るのは初めてでね、要領がつかめないんだ」
と言って先生は私の頭に手を乗せようとする。
そのとき何故か、両手が動いた。その先生の手を頭に乗る前に、その手を掴んで押しのけたのだ。頭に触れるなと言いたげに。
何故動いたのか分からなかった。でも気づいたときには動いていて。
それを見た先生は、また乾いた笑いを零し、そのまま押しのけられた手でぐしゃりと私の頭を撫でた。
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消しゴム頭(イレイザー) - 本当にまたもやお久しぶりです!!しろのねさんは去年だったんですね!私はもうすぐ新生活!です!不安でしょうがない!更新ありがとうございます！悲しい、辛い！！！( >д<)先生、直接弄るって、、むごすぎる、！電話はとっても尊かった!悪夢は早く覚めてあげてくれっ(泣) (3月28日 17時) (
レス) @page7 id: 15065c9ce2 (このIDを非表示/違反報告)
しろのね(プロフ) - 消しゴム頭(イレイザー)さん» お久しぶりです〜！受験本当にお疲れ様でした！！自分は去年だったので、もう受験から1年経つのかとビックリしてます…AFOには蝶よりも花よりも丁重に育てて欲しいものですね…… (1月22日 0時) (レス) id: 820952e0de (このIDを非表示/違反報告)
消しゴム頭(イレイザー) - お久しぶりですっ！！たくさん更新しててくれて今一気に読みました！本当はもっと早く読みたかったんですけど、入試で忙しくて…。でも多分受かりましたよ！多分！！悲しい場面に入ってますね泣いちゃう。本当に、先生やめてくれ…！誘拐するなら優しく育ててよ！ (1月21日 1時) (レス) @page3 id: 15065c9ce2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しろの | 作成日時：2024年1月16日 22時
