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縋るような声のAに相澤は何かあったのでは、と不安を感じる。
そもそも1番連絡してこないであろうAが連絡してきた時点で、何も無いわけがないというのはわかっている。
「どうした、A、何かあったのか…？」
そう問うても、返事は来ない。
返ってきたのは荒い息遣いと、意味を成さない母音のみだった。
錯乱しているのか、はたまた何かに怯えているのか。相澤には分からない。
ただ、明らかに様子がおかしいということは分かる。
何とかしなければならない。
今この場で何とか出来るのは自分しかいない。
でも、肝心の何をすればいいのかが分からない。自分は何を求められているのか、そもそも何故自分に電話をかけたのか。
グルグルと思考が渦を巻く。こんな状況に出くわしたことなど無かった。
考えが纏まらない。そのときだった。
「……ごめ、ん…」
Aが突然言葉を吐き出した。
苦しそうで、泣きそうで、嗚咽のようなその言葉はいつか空気に溶けそうなほど微かに聞こえる。
その声に相澤の不安は大きくなる。どうしたのだと再び問おうとした。
だが、その前にAの言葉が空を切った。
「…ごめん…なに、も、ない。なにも、ないんだ…」
急に呼び出してごめん、と
その言葉は、相澤の胸を深く刺した。
何も無いわけがないだろう。ここまできて頼れないのか、自分では力不足か、自分では駄目なのか、と。
どうしようもない歯痒さが心の中に広がる。
そんな相澤の心も見ず知らず、Aはまた精一杯の言葉を紡ぐ。
「……でも、切ら……ないで、欲しい
安心する…から、声が…君の、いるだけ…で、いいんだ。だから…」
──君の声が安心するから、そこにいて欲しい
そう反芻するように、Aは何度も同じ言葉を紡いだ。
弱音だった。精一杯の泣き言だった。
頼っていた。AはAなりに、相澤を頼ろうとしていた。
でも、頼り方が分からなかった。頼ったことが無かったから。
相澤はその言葉でやっと、Aが精一杯頼ろうとしているのだと気付けた。
それでも、何も無いとAが言った強がりが、相澤の心にモヤを作った。分かったところで、そのモヤが完全に消えることはない。
何も無い、の言葉は、要するに詮索するなという忠告だった。オールフォーワンの事を話す訳にもいかない。話してしまえば、相澤の身に危機が訪れてしまう。
Aは、ただ相澤の身を案じただけだ。
でも、それを相澤が分かるはずもない。
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消しゴム頭(イレイザー) - 本当にまたもやお久しぶりです!!しろのねさんは去年だったんですね!私はもうすぐ新生活!です!不安でしょうがない!更新ありがとうございます！悲しい、辛い！！！( >д<)先生、直接弄るって、、むごすぎる、！電話はとっても尊かった!悪夢は早く覚めてあげてくれっ(泣) (3月28日 17時) (
レス) @page7 id: 15065c9ce2 (このIDを非表示/違反報告)
しろのね(プロフ) - 消しゴム頭(イレイザー)さん» お久しぶりです〜！受験本当にお疲れ様でした！！自分は去年だったので、もう受験から1年経つのかとビックリしてます…AFOには蝶よりも花よりも丁重に育てて欲しいものですね…… (1月22日 0時) (レス) id: 820952e0de (このIDを非表示/違反報告)
消しゴム頭(イレイザー) - お久しぶりですっ！！たくさん更新しててくれて今一気に読みました！本当はもっと早く読みたかったんですけど、入試で忙しくて…。でも多分受かりましたよ！多分！！悲しい場面に入ってますね泣いちゃう。本当に、先生やめてくれ…！誘拐するなら優しく育ててよ！ (1月21日 1時) (レス) @page3 id: 15065c9ce2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しろの | 作成日時：2024年1月16日 22時
