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「そ、やんな」
途端に声が小さくなった神ちゃんの方を見ると、俯いていて
あまりにも弱々しく、小さく見えた。
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「......俺、さ」
暫くして大きく息を吸った神ちゃんは、意を決したように口を開いたけど
此方を見ようとはしなくて。
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「女の子に、なりたいねん
やから、暇な時とか、たまに昨日みたいな格好しとって
流石に仕草とか、一人称とかは、変えへんようにしてんねんけど...」
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言葉を区切りながら言う神ちゃんは、やっぱり震えていた。
何かに怯えているみたいで。
それなのに何故話してくれたのか。
何で女の子になりたいのか。
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いくつかの疑問が頭に浮かんだけど、それを聞くことは出来なかった。
きっと、勇気を出して話してくれたのに
それを無下にするみたいで。
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それに、後者の質問。
神ちゃんのように
休日、男装をして過ごしている私が
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そんな事、聞けるわけない。
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作者名:ねぇと | 作成日時:2021年4月28日 19時