Flavor of Life…#S.Daiki

Flavor…9 ページ9

中島
『A…！！！』





走り出した私の腕を捕まえて


心配そうに見つめる







『……ごめん…涙とまんないの』





中島
『………』









『……大丈夫だって思ったんだけど。



実際にあいつの顔、近くで見たら…

胸が苦しくなってっ……ｸﾞｽｯ。』









今まで大抵の事には負けずに

強く生きてきた。






まさか自分が恋愛でこんなにも辛い思いをして

涙がとまらなくなるなんて
予想してなかった。









『……あいつのこと、嫌いだったのに。


気づいたら…重岡の中で大事にされてる自分に心地よさまで感じてたのかもしれない…』









中島
『……A』





『……せっかくのデート、
台無しにしちゃって本当にごめんなさい。


…帰るね』









悪いとは思いながらも



とてもデートなんてできる気分じゃなくなって
この日、まっすぐ家に帰った私。









ーーーーーーーーーーーーーーーーーー






ー家





携帯で重岡のLINE開いては閉じて。

文字を打っては消してを
繰り返す。





『……もう呆れられたか』






きっと別の女の人に
乗り換えたんだな…


私が裏切るようなこと…したから。

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