恋涙…#小瀧

恋涙……23 ページ23

…望は苦しみながら

必死に生きようとしていた。




小瀧
「……せめて…っ…生まれてくる子供の…産声をきくまでは…死ねへんわ」




「……っ」







出産予定日を間近に控えた頃



望の容態は限界に到達しようとしていて



「……望っ、大丈夫？」



小瀧
「……大丈夫」




「……そばにいることしかできなくて

…ごめんね？」



小瀧
「………AはAと子供のことだけを
考えてればええ。

…俺は大丈夫…」





「………うっ…っ泣」









その時。


激しい痛みが腹部を襲う。





「あ…あぁ……」


小瀧
「……A…っ、今、看護師さん…呼んだる」







すぐに分娩室に運ばれた私。





医師
「……頑張りましょう、将来の旦那さんのためにも」


「………はいっ………あぁ！！」



医師
「落ち着いて…落ち着いていきますよ」




「……のぞ…む…っ」







溢れる汗と涙。




無事生まれてきてくれて

望に抱かせてあげたいから…

恋涙……24→←恋涙……22

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す