やさしさで溢れるように#S.Daiki

Love flower…5 ページ5

重岡
『…でも、俺には関係ないやんな。』




『え？』






重岡
『俺はAちゃんと話したい。


せやから話す。それだけのことやで？』






周りの視線なんて気にせず、



わざと聞こえるように大きめの声で
私に言った。







『シゲ…』







友達もいない


彼氏もいない




味方もいない





本当につまらないだけだった学校が
…なんだか変わりそうな気がした。









重岡
『あとさっ、まだ俺ここら辺に知り合いもおらんし、1人やねん。


せやから一緒に帰ってくれへん？』






『私でいいの？


他の人の方が……』







ﾋﾟﾝｯ





『…いたっ』






優しくデコピンされて






重岡
『…なぁ、ちゃんと俺の目見て？』





『…………っ』







重岡
『…一緒に帰ってくれる？』







『…………う、うん』







重岡
『ありがとっ!!笑』








この人は不思議な人だ。





話してるだけで心があたたまるような




優しく包み込んでくれているような気になる









重岡
『ん？』



ついつい彼の横顔に見惚れていたら

目が合って





『な、んでもない…』





重岡
『そう？ならええけどっ』





また微笑んだ。

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