最後もやっぱり君＃K.Tomohiro

Story4-知る- ページ4

ーあなた Side






こんなこと初めてじゃない。


きっと何百回…何千回と
同じ光景を私は見ているはず。






神山
『…忘れちゃった？

俺昨日グラウンドで話したんやけど』







私は記憶がない。



その人は私にとっては初対面。




でも相手にとっては…違う。






だからまた同じ説明をする。

…きっと嘘だと馬鹿にされる。
…怒られるかな。







『…あたし、記憶が1日しか持たないんです』






神山
『…え』







『…その日あった出来事は

次の日になれば記憶がリセットされて
何も覚えてないんです…本当に。』









何度真剣に話しても


今までみんなバカにするんだ、きっと。





…そのたびに私は影で泣く。








神山
『それ…ホンマ？

辛いなぁ…それ』






『え…？』








神山
『いろいろ辛い思いしてきたやろ。

あ、俺は大丈夫やで。

責めたり怒ったりからかうつもりもない。』






『…どうして？


嘘だって疑ったりしないんですか？』








神山
『んー…ええ子やから。

君は覚えてないかもしれへんけど、
昨日話した時…楽しかったんや。



久々にええ子に出会えたなぁって思ったわ』









彼は怒るどころか…


笑顔で私のことを褒めてくれた…






本気でちゃんと信じてくれた…

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