SCARS《重岡×濱田》

Story34 ページ35

ﾌﾟﾙﾙﾙﾙﾙﾙｯ






ふいに崇裕のスマホが鳴る。





濱田『…ちょっと出てくるわ』





『…うん』







崇裕が席をはずす。







私は1人、外を見ていた。





『……大毅…』







ある男の人が窓の向こう…私の目の前を通っていく。

見たことがあるような…







『大毅…？』




重岡『………………』






…気がついたら店を飛び出して、


彼を追いかけていたんだ。







角を曲がり、せまい路地に入ったところで



『大毅！！』





重岡『A…！』





『…会いたかった…！』







彼に私から抱きつく。





ｷﾞｭｯ







重岡『…アカンて…A。』


『大毅は平気だったの、、？』





…あたし何を言ってるんだろう。




これじゃあたし…重たい女じゃない。







『あ…ごめんなさい。

困らせて…』





重岡『なんでここに…？』







理由を話すと、





重岡『…じゃあ、戻らな』




『え…』




重岡『旦那さん、探しとるよ。

だから…戻らなアカンやろ…』









『…本気でそう思うなら、私の目を見て行って。

それがあなたの本心なら…私はそうする』






私は心の中で望んでいた…



"このまま連れさってくれたらいいのに"









でも、それを聞くのが怖くて




『…やっぱりいいや』





重岡『え、、』





『…傷つくの、怖いもの。

自分で言っておいてごめんなさい！

…じゃあ』








大毅に背を向けて、崇裕のもとに戻ろうとすると




重岡『…待てや！！』




『…なに…』






重岡『ちゃんと聞けよ。』



『…っ』






重岡『…俺のそばにおってください。』



『大毅…！』






重岡『…行こ』







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濱田『長電話して悪かったな…


…あれ、Aは？』





店員『あ…お連れの方でしたら

先ほど1000円を置かれて
急いで飛び出していかれましたけど…』





濱田『…誰か外にいた感じでした？』



店員『どなたかはわかりかねますが…
感じとしては

お知り合いの方を見つけたといったような』





濱田『…重岡』

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