SCARS《重岡×濱田》

Story29 ページ29

崇裕はなんだか元気が前よりなくなっていった。






『具合でも悪いの？』




濱田『…なんでもないよ！！

んじゃあ、行ってきます！』







ｶﾞﾁｬｯ!
ﾊﾞﾀﾝ!







『………』






私が崇裕にそうさせてること



…わかっていたけど。









ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ…





ｶﾞﾁｬｯ!





重岡『いらっしゃい』



『いらっしゃいって…仕事でしょ？


はい、お弁当』





重岡『…休もうかなぁ』




『ダメだよ、大毅…』





重岡『ﾌｯ…わかっとるよ』








ﾁｭｯ






玄関のドアを閉めて


熱いキスを交わす。









『んふっ…だい…き…！』





重岡『仕事…ますます行きたくないねんけど』





『…だめ…っ』









"はいはい"と渋々部屋を出る大毅。





重岡『いってらっしゃいは？』




『いってらっしゃい』






重岡『行ってきますっ！！』









…大毅と再会するまでは




いや、




…大毅と秘密の関係になる前までは








今の大毅のように崇裕は元気に毎日仕事に向かって行ってた。








『…全部あたしのせいよね』








崇裕の笑顔と引き換えに


大毅の笑顔を手に入れたみたい。





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ー濱田 Side






桐山『最近ホンマにずっと浮かない顔しとんなぁ！』




濱田『…あー、まぁな。


前話した友達が…奥さん浮気してるんじゃないかって思い始めてるみたいで。』







…自分のことやのに。








桐山『まじかー。


そりゃ大変やなぁ』





濱田『探偵とかに…頼もうか悩んでるみたいやねん！


どう思う？』








桐山『でも気になるんやったら

頼むのもありかもなぁ？


変に直接自分で動いてさ、
その奥さんと気まずくなるよりかは！』








濱田『なるほどな…』



桐山『…なぁ、ホンマに友達のことなん？

自分のことやったり？』







濱田『まさか…！(笑)


俺とAはホンマにラブラブやし』








…嘘をつくのは





苦しいわ。

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