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「んー、フフッ」
『重岡くん』なんて言えたら良いけど。
今のせっかくのこの時間を悲しくはしたくなくて、やっぱりはぐらかしてしまう。
しばらくの沈黙の後、「あのさ」こっちをちらっと見て重岡くんが口を開く。
「文化祭、一緒に回らん？」
「えっ」
「いや、やだったらええねん！」
「嫌やない嫌やない！」
嫌なわけ、ない。
そうしたら「ほんま？」なんてキラキラした顔。
断るわけないのに。
「ほんまやで」
「よっしゃ！シフトいつ？」
「えっとー、一日目」
「なら俺も一日目にしてもらお。まだ決めとらんし」
私に合わせてくれたことが嬉しくて、落ち着かなくて、つい両手をスリスリしてしまう。
「あ、寒い？」
「いや、平気！」
むしろ体内があっついから、重岡くんに言われて初めて気温が肌寒いことに気がついた。
「帰ろっか」
「そう、やね」
群青色の空を眺めながら返事をする。
「一日目な。オッケー、間違えないようにしよ」
立ち上がって、重岡くんが言う。
「フフッ、うさぎさん覗きに行くな」
「それはほんまにあかん！」
いつも藤井達だからたまには、だとしても、こんなチャンスはもうない。
もし重岡くんの好きな子が誰か別の子だったとしても、文化祭はそういうことは考えないで楽しもう。
無意識のうちに「楽しみやなー」なんて呟く。
そしたら重岡くんも「な」なんてにこにこするから、顔が熱くなった。
ついつい、期待してまう。
帰り際、駅の近くのコンビニに寄って、パックのジュースを買う。
重岡くんが会計してるときに先に外に出ると、ここら辺の少しガラの悪そうな高校生たちがいて、「やっほー」なんて絡まれる。
周りの人達も「お前何やってるん？」なんて笑ってる。
軽いノリだっていうのはわかるから、無視するのも警戒しすぎな気がして、小さく会釈する。
「何買ったん？」
「あ……」
「A」
そこに突然聞こえた重岡くんの声に振り返る。
「行こ」
一瞬肩に回された手に、触れた部分が熱い。
「ありがとう…」
「へーき？」
「うん」
自分の名前は、好きな人に呼ばれるだけで、すごくトクベツなものになることを知った。
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神なな - ヤバかったです…( ﾟдﾟ)さりげなく手ぇ繋ぐとかもうヤバイですよっ！！めっちゃ面白かったです〜(о´∀`о) (2019年4月5日 21時) (
レス) id: 23077af701 (このIDを非表示/違反報告)
どらごん(プロフ) - もうひたすら！！キュンッキュンしました！！！！大好きです！！ (2018年2月3日 18時) (レス) id: 9791850ae3 (このIDを非表示/違反報告)
涼 - とてもとてもとても！！キュンキュンしました！花音さんの書く小説どれも私の好き文章の書き方で、すごく大好きです！しげちゃんかっこよくて可愛かったです！応援してます！ (2017年8月18日 1時) (レス) id: b6e545f6c8 (このIDを非表示/違反報告)
花音(プロフ) - みよすさん» 可愛さもある高校生な彼を書きたかったので、そう言っていただけると嬉しいです。ありがとうございました、返信遅くなり申し訳ありません、、 (2017年4月13日 7時) (レス) id: 819da26d91 (このIDを非表示/違反報告)
花音(プロフ) - ゆりさん» ありがとうございます。続編、今の所は考えていませんが、番外編はいつかどこかしらで書けたらいいなと思います！返信遅くなりすみませんでした、、 (2017年4月13日 7時) (レス) id: 819da26d91 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花音
| 作成日時：2015年9月18日 22時
