だいすきな君へ。 ページ21
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(side RED)
バレンタイン、前日。
晩飯の買い物を済ませて帰った俺を、甘い香りが包み込む。
換気扇の音に足音を消されながら、エコバッグ片手に吸い寄せられるようにして彼女の肩越しに手元を覗き込んだ。
重「お、美味そう」
「あれ、おかえり。早かったなぁ」
重「ただいま。チャリ漕いで行った」
「そっか、すぐ作り終わるしご飯ちょっと待ってな」
重「玄関からむっちゃええ匂いしたわぁ」
「ふふ、そう？」
チョコレートの匂いを深く吸い込みながら彼女の腹に手を回してぴたりと引っ付く。
チョコ作りの材料が広がったキッチンで、エコバッグをがさがさと揺らしながら彼女の作業の邪魔をした。
すーーー、って彼女の項に顔を埋めて深く息をすれば、こらぁ、って甘ったるく俺を叱るAの髪がふわふわと揺れてくすぐったい。
重「今年は何？」
「今年はトリュフ」
重「今年は俺が絶対一番やからな」
「しげちゃん以外は今度会った時に渡そうかなぁ」
そう言いながら作業を続ける彼女に、「アレやったら俺が全部貰っとくけど？」って言ってみれば、「アレってどれよ」って笑うから、俺の50%の真剣は彼女の微笑みひとつで100%の冗談に変わる。
たまには俺だけ、って年もあっていいんちゃう？って。
思ったりもするけど、メンバーを大切な存在に想うのは俺もコイツも一緒やから。
「はいしげちゃん、あーん」
重「あー」
「こーら、指まで食べんといて」
重「指がいちばんうまいかも」
「きっも！w」
重「キモいとか言うな！ww」
出来たての小さなトリュフを、摘んで差し出してくれる指までぱくりと食べてしまえば、嬉しそうに笑いながら俺の肩を叩くから、あんまり可愛くて思いっきり抱き締めた。
今年はホワイトデー何しよかなあ、って考えながら、彼女の肩に顎を乗せる。
「おいし？」
重「ん、美味い、むちゃくちゃ」
「ふふ、良かった」
重「ずっと食いたいわ」
「この先ずっと食べれるよ、しげちゃんが食べたいと思ってくれる限り」
重「じゃあ来世まで食えるな？」
「あは、じゃあ来世も一緒に居よな」
重「言うたな？しんでも離さへんで」
「まだまだ幸せになっちゃうなぁ」
まだまだ、この先ずっと。
冗談にも似た言葉の中には、お互いの中の確固たる愛の証が。
来世なんか分からへんけど、とりあえず今は。
まだまだまだ、沢山の幸せをお前とあじわいたい。
大好きな、君と。
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竜胆(プロフ) - Rさんさん» こちらこそ、読んでくださってありがとうございます。重岡逃走中、書きたいなとはむちゃくちゃ思ってます。予定は未定ですけれど、いつか書きます。少しばかりお待ち頂けますと幸いでございます。 (4月6日 19時) (
レス) id: 4b185b5ed0 (このIDを非表示/違反報告)
Rさん(プロフ) - いつも素敵なお話ありがとうございます。リクエストなのですが。重岡逃走中が大好きで重岡逃走中のお話書いていただきたいです。できればで大丈夫です。よろしくお願い致します。 (3月26日 9時) (レス) id: a98349d762 (このIDを非表示/違反報告)
竜胆(プロフ) - 亜由さん» コメントありがとうございます、いつも読んでいただいて嬉しいです。リクエストに関しまして、お応えしたい気持ちは山々なのですが、件の彼について情報をあまり持っておらず表現に不足が出そうなので、今回は見送らせてください。またリクエストお待ちしています。 (2月16日 9時) (レス) id: 4b185b5ed0 (このIDを非表示/違反報告)
亜由 - 遅くにすみません｡小説読みました。リクエストなんですけど、厨房のありすに主夢が永瀬君の恋人役に決まった事をマネージャーがメンバー皆が居る所で言っていたら永瀬君が楽屋に来たお話を書いてもらえませんか？ (2月16日 5時) (レス) id: 056f326efc (このIDを非表示/違反報告)
竜胆(プロフ) - eapoiraile18さん» コメントありがとうございます、新鮮さ感じてくださって嬉しいです。本当にたまにですがメンバー以外の第三者目線のお話もあるので、楽しんで頂けますと幸いです。 (2月13日 21時) (レス) id: 4b185b5ed0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：竜胆 | 作成日時：2024年1月21日 2時
