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(side PURPLE)
濱「姫さんどれ食うー？」
「んー？後で選ぼかな、先食べててー」
重「カレー置いといたろか？」
「ううん、大丈夫。ありがと」
収録合間のお昼ご飯。
いつもみたいに「姫さんどれ食べたい？」って最優先に聞いてみるけど、にこやかな笑顔と共に最優先は辞退されてしまって。
藤「A、こっちのソファ使う？俺そっち行くし」
「起きてるしいいよ、ありがと」
桐「…眠ないん？起こしたるで？」
「ん、さっきコーヒー買ったし平気」
楽屋での休憩時間。
姫さんのために空けようとしたソファは、コーヒー片手に雑誌を開いた彼女には使って貰えそうもなく。
神「A、向こうにお菓子あったけど見に行く？」
「え、そうなん！読み終わったら見に行く、教えてくれてありがと」
…お菓子の誘惑にも負けず。
小「A、俺メイク行くけど一緒に行かん？」
「あは、喋るん？私みんな終わってからでいいよ、先いってきて？」
…メイクも最後でいいと言う。
中「しげ、やり返されてんな」
重「……、」
…いや、そんな顔されても。
言い出したんお前やん、って言いたいところやけど、加担した俺らもちょっと焦りが出てくる。
姫さんのワガママとか、ご機嫌取りみたいに思われてまうかもしれへんけど、甘やかすのも優先するのも、俺らがやりたいからやってることで。
笑ってて欲しいとか喜んで欲しいとか、そういう感情を行動に昇華した結果が甘やかすことに繋がってるだけ。
ことごとく遠慮されてしまうと、なんかこう、コッチもむずむずしてくるというか。
重「…あ」
「…ん？」
重「…なんか、して欲しいことある？」
「…え？なに急に」
最後にメイクを終えた姫さんが楽屋に戻ってくると同時に、複雑そうな顔をしたしげが漠然とした問いを投げて、姫さんが不思議そうな顔をした。
下手くそか、と思うものの、まあ要するに言いたいことはそれなんやけど。
中「なんか、Aが遠慮してると変な感じすんねん」
「ふふ、昔みたいやな」
中「そう、だから、……ん？」
「もうイタズラは終わり？」
余裕たっぷりに微笑んだ姫さんに、全員が安堵の溜息を吐きながら白旗を上げた。
降参、降参！
濱「存分に甘えてくださーい！」
「ふふ、じゃあいっぱい甘やかして」
重「任せろ！！！」
勝率なんか元々ゼロ、これは幸せの負けや！
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作者名：竜胆 | 作成日時：2023年10月22日 19時
