勝率ゼロ ページ7
.
(side PURPLE)
重「なあ、ちょおAにイタズラしよ」
濱「またそんなこと言うて、喧嘩なんで」
重「ならへんぐらいで！ちいさいやつ！」
中「例えば？」
言い出すのは、大抵しげ。
俺ら7人から姫さんへのイタズラは、全員仕事が何日か続いて、姫さんの仕事にある程度余裕がある、稀なタイミングでだけ行われる。
「…あれ、カレーないん」
藤「ん？あー、もう残ってないわ」
小「ごめんごめん、先取ってもた」
「ふうん、じゃあ親子丼にしよっと」
収録合間のお昼ご飯。
いつもならメンバー誰かしらが「姫さんどれ食べたい？」って最優先に聞くけど、1番後回しにしてみたり。
「くぁ、」
桐「あ、ソファ埋まってんで」
中「しげが横になってるわ」
「ん、そか。ほなコーヒー買ってこよ」
楽屋での休憩時間。
姫さんの眠そうな欠伸を見ればすぐにソファを開ける俺たちが、退かずに居座って眠る場所を占領したり。
神「姫さん今日そこしか空いてないわぁ」
「はぁい、ここね」
濱「…酔わへん？大丈夫か？」
「うん、大丈夫。ありがと」
移動車の中。
何も伝えずに全員の定位置をシャッフルして、いつもと全く違う座席にしてみたり。
…一応、いつもの席の次に酔わへんところを選んだつもりなんやけど。
重「ほな、俺ら帰るわ」
「うん、おつかれさま」
桐「先帰ってごめんなぁ？」
神「待ったりたいねんけどさ」
「いいよぉ、また明日ね」
小「…俺、おろか？最後まで」
「ふふ、もう皆撮影終わったやん。帰りいよ」
藤「ちょっとの差やん、待っとくわ」
重「ちょっとの差やったらそれこそ帰ってええやろ」
雑誌の撮影中。
心を鬼に出来てるメンバーと出来てへんメンバーのせめぎ合いが繰り広げられてるこのイタズラは、
メンバー個人の撮影で一番最後になった姫さんを、誰も待たずに帰るっていう、設定。
メンバーを待たずに先に帰るのは俺らの中で日常茶飯事やけど、相手が姫さんならそれは随分と珍しいことに変わる。
それこそ言い出しっぺのしげはこういうの心配でしゃあないタイプやから、姫さんが無事に移動車に乗り込むところを見届けるまで別の移動車で待ってたりするんやろう。
…ただ俺たちが仕掛けた小さなイタズラたちに、これを含める全てにAは寂しがる素振りもなくいつも通り微笑むから、イタズラとして成り立ってるんかどうかは微妙なところやけど。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 838人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：竜胆 | 作成日時：2023年10月22日 19時
