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(side RED)
「じゃあ表紙めくりまーす」
重「ん」
「じゃじゃーん」
膝の上、俺に背中を預けるAがめくった1ページ目は、弾けるような笑顔と、海と、水着。
さっき一瞬見たとはいえ、今こうやって家で2人で見るのはまた少し違って。
重「…ええやん」
「ふふ、6月のわたし。次は、」
重「ちょお、まだめくらんといて」
「もお、まだまだあるんやからサクサクいくで」
俺の制止も効かずめくられた次のページは、水着姿のバックショット。
濡れた髪に綺麗な横顔、太陽の光が反射する白い肌と滑らかなくびれ。
尻から太腿へ滴る雫に目が奪われて、思わず彼女を抱き込む腕に力が入った。
重「……今日もうこれでいい」
「嘘やん、まだ序盤やで」
重「もうあかん、俺よお見られへん」
「もお、水着よりもっと全部知ってんのに」
重「…全部俺のやのに、これ他の男も見るんやろ」
「そりゃあ、まあ」
重「……」
「んん、こそばい、」
項に埋めた鼻先で風呂上がりの彼女の香りを吸い込みながら、心の中で白旗を挙げる。
結構お気に入りいっぱいあるのにって言いながらペラペラとページをめくるAの手元を、彼女の肩に顎を乗せて覗き見。
水着だけじゃなく、パジャマにTシャツ、ランジェリーみたいなやつとか、寝顔に笑顔に拗ねた顔なんかも。
俺しか知らんくらいの素顔をファンに見せてしまうAを恨めしくさえ思って、彼女が擽ったく感じることは承知の上でぐりぐりとおでこを肩に押し付けた。
「このショットは見たやろ？流星の好きなやつ」
重「見た、下乳やろ」
「言い方。セクシーショットな」
重「下乳ショット」
「こら」
ええもん、今みたいにこのふわふわの感覚を腕に味わいながら抱き締められんのは俺だけやし。
笑顔だって寝顔だって拗ねた顔も泣き顔も今まで1番見てきたのは俺で、これから先ずっと傍で見れるのも俺だけで。
俺しか知らん顔だってあるし。
ええもん。
重「…なあ、こっち向いて座って」
「ん？どしたん」
重「俺が拗ねてんの治るぐらいキスして」
「んふ、かわいいなあ、」
重「お前は可愛すぎる」
「ふふ、しげちゃんお口あけて」
重「あ。」
むちゅ、って塞がれる唇から流れ込む愛を心地よく感じる。
美貌も、声も、何もかも。
神からこの世の全てを与えられたお前を。
手に入れて、愛して愛されて、独り占めできる俺は、きっと世界一の幸せ者や。
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作者名：竜胆 | 作成日時：2023年10月22日 19時
