白と赤 ページ45
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(side RED)
メンバーの可愛いと思うところを教えてください。
ソファに凭れながらスマホと向き合っていれば、軽いスプリングと共に、この世の可愛いの塊が俺の隣へと腰を下ろした。
「しげちゃん何してるん」
重「アンケート書いてる」
「可愛いとこのやつ？」
重「そ」
「なになに？私の可愛いところなんて書くん？」
重「言うかぁ、アホw」
期待の籠った眼差しを一蹴されて、拗ねたように小さく頬を膨らませながら俺の肩に凭れるAは今日も相変わらず天使みたいに可愛くて。
メンバーの可愛いところを書きながら、その一つ下に存在するA限定の欄に何を書こうかと悩む。
俺だけの秘密にしたいことはそのままに、ファンの方が喜びそうな情報を何か。
最近で言うたら、サマソニで和室の畳に引っ付いて冷たさ感じてたり、キンキンのペットボトル抱きしめながらウロウロ歩き回ってたりしてたんも可愛かったし。
東京の時は観客入る1時間ぐらい前からもう皆で裏におって、ざわつく客席の雰囲気感じながら跳ね回ってたんも可愛かったなあ。
汗だくで満面の笑み浮かべながらステージで歌っとる姿はだいぶセクシーで良かったし、あ、これは番組では言われへんけど。
あとは、
「…なに、ニヤニヤして」
重「ヒミツ」
「さき寝てもいい？もうまぶた閉じちゃう」
重「もう終わるから待っとき」
「んん」
重「あ、ちょおこっち向いて」
「ん？」
肩に凭れたまま、ゆっくりと俺を見上げた彼女の唇に、キスをひとつ。
きょとんと目を見開いたAの唇をもう一度塞げば、透明感のある素肌に分かりやすく赤が差した。
重「したかっただけ」
「…眠気飛んだ」
重「ほな俺がアンケート終わるまで起きとけるな？」
「……ずるい！」
重「ふは、なにがやねん」
「そういうとこが！」
重「アホお前スマホ打てへんて、」
「や、抱き締めながら打って」
重「ほなもっと引っ付け」
ずるい！って言いながら俺の膝に乗り上げてきたAが落ちんように、ぴたりと引っ付いた身体を支える。
ほんまはそんな引っ付かんでもスマホ見えてるし、打つのだって問題ない。
けどなあ、って思いながら、彼女の首筋に顔を半分埋めつつアンケートの記入を終えた。
「んっ、息こそばい」
重「まだ、もうちょい」
首筋に甘く噛み付いて、スマホを打つフリ。
こういうの案外気付かへんのも、コイツの可愛いとこ。
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作者名：竜胆 | 作成日時：2023年10月22日 19時
