「is you.」 ページ43
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(side RED)
12月24日。
メンバーとYouTubeの撮影をしている合間、隣にいた照史が俺の肩を小突いた。
桐「しげ」
重「ん？」
桐「今日、一段と可愛いやん」
重「…え、俺？」
桐「アホ、なんで俺がしげに可愛さ感じんねんw」
ちらりと投げられた視線を追えば、いつも通り可愛いAが居て、じっと見てしまう。
一段と。
…一段と、かなあ。
いっつもむちゃくちゃ可愛いけど、って小声で言えば、それ姫さんに直接言うたったら喜ぶのに。って。
それがたまにしか口にでけへんのが俺のええとこであり困ったとこでもあんの。
動くごとに揺れる艶のある髪に、目のとこはちょっとキラキラしてて、リップはいつもより少しだけ赤いような気もするし、雪みたいな白い肌に映えるさまがショートケーキみたいやなと思ったり。
…そう言われれば、いつもより、一段と。
桐「終わったらどっか行くん？」
重「…行かへん、と思う」
桐「約束してへんの？」
重「長引くかもせんしさ」
桐「ふうん」
重「………どっか、行きたいかな」
スマホで調べたイルミネーションの記事をスクロールしながら、人の多さとか場所の利便性なんかを考えて、うんうんと唸ってみたりするけど。
いやでも人は信じられんほど居るやろうし、この寒さでAが行くっていいよらん可能性もあって。
行きたいって言うたら一緒に選んだらええか、と思いながらススス、とAの隣へ近付いた。
重「…なあ」
「ん？」
重「今日さぁ、夜」
「うん」
重「…デート、行く？」
ぽそ、と小声で話し始めた俺につられたAも小声で。
視線を重ねながら小さく口にした問い掛けに、ぱち、と瞬きしたAは思わずにやけてしまうほどキラキラの瞳をするから、ああ聞いてよかったと心から思った。
「いいの？連れていってくれる？」
重「そんな嬉しそうな顔すんのに、行かへんわけないて」
「やった、今日、」
重「ん？」
「…、誘ってもらえるかなって、期待してた」
重「……思いっきりキスしていい？」
「ふふ、あかん」
イルミネーションの場所を選びながら、プレゼント欲しいのあったらついでにどっか店寄ってもええしって。
そう言う俺の耳元で「欲しいのは、」って囁くAの声に耳を傾けたが最後、続いた言葉の破壊力に勢いよく突っ伏した。
俺だけが叶えられるその願い事には、今夜ありったけの愛で応えよう。
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作者名：竜胆 | 作成日時：2023年10月22日 19時
