白と桃 ページ42
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(side PINK)
メンバーの可愛いところを教えてください。
小「Aー」
「はあい？」
小「こっちきて」
「ん？なに？」
メイク終わりの姫さんを捕まえて、俺の目の前に座ってもらった。
可愛いと言えば、の世界代表やから。
って、本人に言うたらなんや嬉しそうに笑いながら「あほ」って言われるんやけど。
せやなあ、例えば。
じーーって見詰めても逸らさへんとことか、首傾げて微笑む表情とか、俺が口角上げたらつられて笑うとことか。
小「全部やなあ」
「何が？」
小「可愛いとこ」
「望はなあ、ぱっちりしたおめめと、甘えん坊なとこ、正義感強いとこ、頭でちゃんと考えながら動くとこ、面白いところ、頼りがいがあるとこ、声が心地良いのと、言葉選びがユニークなとこ、」
小「待って待って待って！！！」
「照れたらすぐ真っ赤になるとこもかわいいし、」
小「もーーーー！！」
がたん、って音を立てて椅子から立ち上がった俺にうるさいなあ、って淳太が笑って。
だってAが、って指を差しながら言い訳すれば、楽しそうに笑う彼女が少し余った袖で口元を隠すから、抑えられへんくて声に出た。
小「可愛い！！！」
「ありがと、はよ続き書き」
小「あーもう可愛い、Aが可愛すぎて何も書けへん」
「ふふ」
小「あかんあかん、じっと見んといて！」
「みる」
小「あかん！」
「のんが呼んだんやろぉ」
小「ずるいって！！」
あは、って嬉しそうに笑う彼女が俺を「のん」って呼ぶのは、最高に俺を甘やかす時だけの超レアな呼び方で。
そんなん今出してこられたらずるいって、って瞬間を1ミリも外さずに的確に俺を射抜く。
あーずるい、俺が姫さんって呼んでもAって呼んでも全然気にせんのに。
俺は呼び方ひとつで頭の先まで火照ったみたいに真っ赤になってんのに。
「何をそんな汗だくなってんの」
小「誰のせいや！」
「代わりに打ったげる」
小「あっつ、まじで」
ん、って差し出した俺のスマホは彼女の手に渡って、何か打ち込むのを見守っているうちにAに撮影の声が掛かる。
俺の手元に帰ってきたスマホと交代でAが楽屋を出た。
小「……へ、」
"どこがいちばんすき？"
彼女の手で入力された可愛すぎる問い掛けに、スマホを抱き締めながらテーブルに突っ伏す。
可愛すぎる、全部大好きやって、もうまじで世界でいちばんかわいい！
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作者名：竜胆 | 作成日時：2023年10月22日 19時
