白と青 ページ41
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(side BLUE)
メンバーの可愛いところを教えてください。
藤「なあ、これAの可愛いとこだけでもええん？」
「いいわけないよな？」
藤「ほな全員書くか」
「ん、私も全員分書いたで」
藤「俺の可愛いところどこ？」
「ひみつー」
ほら、こういうとこ。
可愛いやろ？
正直言うたらAは端から端まで可愛いとこばっかりやねんけど、そういう時に限って言葉にして伝えるんがむずいんよな。
順番に書いてくか。と思いながらスマホをタップしていれば、知らん間に手元にコーヒーが置かれていたりして。
あー、こういうとこも可愛い。
可愛いってか、嬉しい。
山ほどある中からひとつだけ挙げるとすれば、どれやろ。
たまに俺だけを頼ってくれるとこ、
打ち合わせしてる時とかに目が合ったらふわあって微笑むとこ、
今みたいなさりげない気遣いとか、
聞き上手で、話し上手でもあるとこ。
…あれ、これもしかして一生言えるんちゃう？
「…流星」
藤「ん？」
「見すぎ」
藤「ふは、ごめん」
「台本頭入らへん、」
ぽわ、と赤らんだ耳に、おっ。て思う。
見詰めてるだけで照れるなんて、めずらしい。
ぺぺって手で俺の視線を弾くようにした彼女は顔の前に台本を掲げて小さな壁を作った。
藤「Aさ」
「ん？」
藤「リハとかしてる時、俺だけにファンサするやん」
「うん」
藤「手振ったりとかウインクとかさ」
「するする」
藤「あれは照れへんのに、今は照れるんや？」
「…」
肯定の滲んだ沈黙に小さく笑ってしまえば、台本の向こうから顔を半分覗かせたAが「アンケート集中して。」って目を細める。
藤「あれいっつもなんでファンサするん？」
「…リハの時、流星ステージにおらん時あるやん」
藤「動きとか見てるからな」
「そう、やから寂しいねん」
藤「…Aが？」
「うん、ファンサしたら流星反応してくれるし」
藤「せやな、まぁ無反応なことはないか」
「笑ってくれたり手振り返してくれたりするねん」
藤「そんなまともに反応してる？」
「してる、それが嬉しいからいつもすんの」
藤「へえ、初耳」
「流星はよステージ戻ってきてーって、思いながらしてる」
藤「ふは、めっちゃ可愛いやん」
「いつもですう」
藤「はいはい」
確かに。
可愛いところ、いつも、って書いとこ。
今のとびきり可愛い情報は、俺だけの秘密に。
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作者名：竜胆 | 作成日時：2023年10月22日 19時
