白と紫 ページ40
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(side PURPLE)
コーヒーはご所望ですかい？
久しぶりに迎えの車が一緒やった姫さんにそうメッセージを送れば、数分もせんうちに「よきにはからえ」って個性的なスタンプと共に「だいすき」って文字が送られてきて、なんとも傲慢で可愛らしい返しに車中でにやけた。
マネージャーくんにコーヒーショップへ寄ってもらってからAのマンションの駐車場に着けば、まだ眠そうな顔しながら歩いてくる姿が見えて内側からドアを開ける。
濱「おはようさん」
「ん、おはよ、ありがと」
濱「ドア閉めるとき指気いつけや」
「ん」
こく、と頷いた彼女は少し寝不足のようで、割とシャキっとしているいつもとは違ってまだ半分眠りの中にいるらしい。
ドアを閉めてから、ぽやぽやの顔で俺からコーヒーを受け取って、ひとくち。
「あったかぁ…」
濱「何よりや」
「うれしい、ありがと」
濱「ええよ、ちょっとは眠気覚めたか？」
「さめへん」
濱「ふは、覚めへんか」
ゆっくりと彼女の喉を通ったコーヒーは、小さな欠伸と共にドリンクホルダーへ。
あと何分？って運転席のマネージャーに聞いたAは15分くらいです、って返答を聞くなり躊躇いなく俺の肩にもたれてきて、突然のおやすみタイムがはじまった。
いけると思ったらすぐ寝るとこ、ほんましげにそっくりやな。笑
「崇裕、おこしてな」
濱「はいはい」
「んん」
濱「猫かw」
俺のなだらかな肩に擦り寄ったAに緩くつっこむけど、もうきっと9割方眠ってもうてて反応もなく。笑
よしほんなら俺は起こさんように仕事するか、って手をつけたアンケートに"メンバーの可愛いところを教えてください"って文字を見つけて、今起きたこの現象を端から端まで全部書いたろかな、と思うほどこのタイミングにピッタリな問い掛けに驚く。
せやな、例えば、って考えながら少しスクロールした先に姫さん限定の可愛いところを書く欄があって思わず笑ってもうた。
「…ん」
濱「…あ、ごめん揺れたか」
「…ついた？」
濱「まだ寝ててええよ」
こうやって見上げてくるときの上目遣いもとんでもなく可愛いし。
それから、寝ぼけながらふにゃって笑うとこも可愛いし、俺だけかなって思うくらい気を許されてるのがわかる瞬間も最高。
ありすぎるなあ、全部可愛いねんなあ、思い出すだけでにやけてまうわ。
「…」
濱「…」
「…もお」
濱「ごめん！w」
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作者名：竜胆 | 作成日時：2023年10月22日 19時
