いい兄さんの日 ページ35
.
(side ORANGE)
桐「姫さん集合〜」
「はいはい〜」
桐「ここに直ってください」
「えっ怒られますか？」
桐「ww」
ふわふわした返事の割に恐る恐るで俺の隣に座った姫さんは、ちょっと上目遣いでちらっと俺を見る。
万が一怒ることがあったとして、初手からこんな可愛い顔されたらボルテージ思っきし下がるわ。笑
まあ怒るわけではなく、ただひとつの疑問のために呼んだだけやねんけどな。
桐「11月も終わりですけど」
「はい」
桐「23日はなんの日でしたか？」
「勤労感謝の日？」
桐「ですが？」
「えっクイズ大会ですか？淳太くん呼んできて」
桐「いい兄さんの日でしたね？」
「そうなんですね？」
桐「さあここで、姫さんのナンバーワンお兄さんは誰でしょうという話です」
「むず！」
11月23日は、いい兄さんの日。
もう過ぎてしもたから誰が一番やったとて、どうってことも無いんやけど。
その称号、欲しいよなって話をこないだヒルナンデスの合間に淳太くんとしてて。
でも1位って言われたら誰？って二人で悩んでも検討つかんかった結果、今に至る。
そんなん、本人に聞くんが一番早いしな？
桐「7人の中から、1人な？」
「しげちゃんは省いていい？」
桐「ん、じゃあ6人」
「神ちゃんも省いていい？」
桐「wwオカンやから？w」
「うん」
神「ええ、省かんとってよ」
「っわ！」
神「ふは、ごめんびっくりさした」
にぱ、ってイタズラな笑みを浮かべるもんちが後ろからAの頭を撫でて、肩を跳ねさせた姫さんは大きな瞳をぱちぱちと瞬かせながらもんちを振り返る。
優しくぽんぽんと頭を撫で続けるもんちはさながら兄のようで、思えば俺らは昔から全員この子のお兄ちゃんみたいなもんか、とひとり頷いた。
「じゃあ神ちゃんも含めて、6人？」
神「ん、お兄ちゃん選手権やな？」
桐「そ。ナンバーワンお兄ちゃんは誰だ選手権」
小「え、それ俺も入れんの？」
「あ、ほんまや望は省けるわ」
小「入れて！！」
「省くわ」
小「入れてって！！！」
濱「俺も入れて！！」
「もう入ってる人は静かにして！」
濱「すんません！w」
俺と姫さんだけで繰り広げられていた会話はいつしか楽屋の話題の中心になって。
メンバーを巻き込んでやいのやいのと賑やかな空間で競い合う兄たちの中で色んな理由を加味しながら悩む姫さんは、どうにも一番を決め兼ねているようやった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 838人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：竜胆 | 作成日時：2023年10月22日 19時
