銀河鉄道の朝： Red (ページ6)

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見えない壁ページ6

side：緑

どんなに苦しんでももがいても

俺らがシゲの元に戻る事はできひん

おる世界がちゃうから

それはシゲも、俺らも全員が理解してる

なあシゲ

辛いのは分かってんねん

でも、俺らとお別れせな…

シゲにはこの壁を乗り越えてもらわなあかんねん

俺らやって無理して笑ってるんやで？

シゲに「もうこいつらは大丈夫や」って安心してほしくて

でも…その我慢もいつまでもつか分からへん

メンバーの最期の努力を無駄にせんといてや

はよいつものシゲに戻って？

いつものいたずらなシゲでおってや

こんな時に限ってめっちゃ優しいシゲを出してこんといてや…

「諦めるんか…？」

『…え？』

「まだなんとかなるかもしらへんやん！！なんで諦めるん！？」

シゲ…

『…なんかデビュー前の会話みたいやな笑』

「ッ…笑うな！！！」

シゲの拳が頬に直撃した

「諦めんなよ！！！」

『…………シゲ、俺らはもう戻れへん…時間は戻せへんねん』

シゲが俺の服を震える手でつかむ

『…あんさ』

のんちゃんが初めて口を開いた

「…なんやねん」

『俺は全く心配してへんで、シゲの事』

のんちゃんの目は潤んでへんかった

『シゲは俺らのセンターやで？リーダーでもある

　俺らの姿形が無くなっても、俺らはちゃんと傍におるって分かってくれるやろ？

　メンバーの事が大好きなシゲの元を俺らは絶対に離れへん

　もうええわ！ってくらいにくっついて離れへん

　シゲが俺らの事大好きなように、俺らもシゲの事が大好き

　そんな奴ら同士、この程度で繋がりが切れるとは俺は思わへんで』

最年少で

でもメンバーの一人としてずっと意識し続けて来た彼の言葉には

綺麗事でしかなくても、それでも説得させられるような重みがあった