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感情のない涙 ページ19
side:赤
「俺ちょっと頭冷やすわ……一人にしてくれへん？」
『…おん、分かった…また後でな』
流星に別れを告げて一人になると
乾き切った目が一気に水で満たされて行くのを感じた
水は留まる事を知らずに溢れ
俺の頬を濡らし
地面に静かに落ちた
なんの涙か分からへん
ただ…俺が今いっぱいいっぱいなんは分かった
見捨てたくない仲間
今までずっと支えてくれた家族、ジャス民
とめどなく溢れ続ける涙は
そんな現実から逃げたい俺の心が映ってた
誰一人失わへん選択なんてないのに
涙を拭おうと腕を目に押し付けた所で
微かに扉がノックされた気がした
「…だれ？」
そう言うのと同時に扉に手を掛けた
え………どないなってんねん…
扉に触れたはずの俺の手は空を切り、冷たい雨に濡れていた
声にならない叫びをあげた
アイツらはもうおらへん
俺の周りに常におったアイツらの
姿も
声も
何もかもあの日消えた
俺だけ……
なんで俺だけ……
生き残ってしまったんやろう
右足だけやなくて
命まで惜しまんかったら
今頃アイツらと笑えてたん？
冷たい雨に打たれるほど
どんどんどんどん心が冷え切っていくのが分かる
どうでもええ
もう、いっその事逃げてしまうか……
本気で嫌われてもええ
ただの自己満足のために
終止符を打ってしまってもええんかもな…
終わり
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←最期の最期までイケメンすぎやろ笑
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作者名：萌 | 作成日時：2020年2月4日 17時
