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７つの交錯する心 ページ11
side:黄
「とりあえず…座ろ」
照史がのんちゃんや神ちゃんの背中を押して
椅子に腰かけるよう誘導し、俺を見る
「淳太君も…一回座ろ？」
促されるままに照史の横に座る
『………皆はどう思ってるん？
もう何年も一緒に頑張って来た仲や
正直に言ってほしいねん…そこに不正解も正解もないんやから…』
俺やってシゲと一緒にてっぺんを目指したかった
やから
シゲと一緒にここに留まるっていうのを完全には否定できひん
「俺は…さっき言った通りやで…
シゲはたとえ一人になっても走り続けるべきや
シゲにはそうできるだけの力がある
俺らという存在を無駄にせんためにも、
俺らという存在がなくなって悲しみに沈んでる家族やファンの子達のためにも、
シゲには戻ってもらわなあかん…
シゲ自身にも、前を向いてもらわなあかん…」
神ちゃんはそう言った
やけど、その目は揺らいでいた
シゲに励まされてもう一度立ち上がれたあの日を
７人で初めてスポットライトを浴びたあの感動を
考えずにはいられない
そんな心境が見えた気がした
「俺は……自分に良いように正直に言えば…シゲにはおってほしい
やけど、さっき言った言葉にも嘘はない…
今の俺やったら、きっとどちらにせよ受け入れる事はできる…と思う」
のんちゃんの不器用な言葉
シゲにここにいてほしいなど、シゲの前では軽く晒せない本当の心
ここでは
言葉一つが大きな選択となる
…一度でも誤れば相手を縛る呪縛となってしまうから
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作者名：萌 | 作成日時：2020年2月4日 17時
