私に明日はきっと来ない。（N.J） (ページ26)

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中間side
俺の膝に頭を乗せてグッスリ眠ってしまったAの目は僅かに桃色に染まって

頬には涙の跡が残っている

この小さな体で俺には想像もつかんような世界で生きてきたんやなぁって改めて思った

A「…佳代…逃げ…ッて……嫌だ…嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ！！！！！」

中「A！？大丈夫大丈夫、俺がおるで？？」

急にうなされ始めたAをやさしく抱きしめて声をかける

A「…ッウ…淳太…君…」

俺の服に顔を埋めていて表情は見えへんけど、

きっと泣いてるんやろう…

俺の服に縋り付いて、、、、まるでこの時を手放したくないとでもいうかのように

中「…怖い夢でも見たん？？」

赤ちゃんをあやすみたいに背中をポンポンと叩きながら優しく声をかける

A「…」

Aはただ首を横に振って、

そして口を開いた

A「…昔の事…だよ…」

それだけ言ってまた俺の服に顔を埋めて眠りに落ちて行った

小「…なぁ…」

わずかに開いたリビングのドアの先に、きまり悪そうにのんちゃんが顔を覗かせた

中「ん？どしたん？」

小「さっきAちゃんどうかしたん？

　めっちゃ泣き叫んどったみたいやけど…」

俺とAの傍にあるソファに腰掛けて俺の目を見る

中「…うなされたみたいやで…

　俺はAの口から聞けるまで待ってるつもりやけど

　年相応にない過酷なとこにおったみたいやしな…」

小「……そか…」

のんちゃんはこれ以上何も言ってこんかった

結局そこから数時間はAは起きそうになくて

A「…いつか必ず話すから…

　 …あと少しだけ待ってて…」

いつの間にか寝てしまった俺の横でAがこんな事を言ってたなんて…俺は知るはずもない