◆フレルサワレル◆番外編 K.Shigeaki

［３］ ページ20

空になった茶碗を片づけて市販の薬を飲まされる。


「冷えピタ貼るね」


俺の前髪を上げるAは看病してくれてるだけって
そんなの分かってるけど。


なんか超…色っぽいの。


思わず息を飲む俺の視線に気づいて
あんまり見ないでよ、と少し照れた。


.


いつからこんなに好きになっちゃったかなー。


初めて会ったとき？


相談に乗ってもらったとき？


抱きしめたとき？


自分の気持ちに気づいたとき？


Aの気持ちを知ったとき？


振られたとき？


想いが通じ合えたとき？


.


そんなきっかけを探すには俺とAは長すぎて。


キリがないから簡単な言葉で片づける。


１秒ずつ好きになってんだよ、たぶん。


.


頭は痛いし体は重いし
何をしたって楽にはならない朝だけど。


「お前、仕事行かなくて良いの？」


「休むって言っちゃった」


そう笑う君があまりにも愛おしくて。


「風邪、移っちゃうかな」


そう抱きしめてくれる君がたまらなく可愛くて。


.


たまにはこういうのもありかな、なんて
力のない腕で抱きしめ返した。


.


【体調不良も悪くない】

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