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「初対面だよ。

飲み会断りきれなくてさ、
酔い醒ましに買い物しようと思ったら隣にいたの」


ほんと最悪、ってうなだれる。


.


「女の子を泣かせるやつは男じゃないって」


何て言ったら良いか分からなくて、
もう笑い話にしてしまおうと思った。


「誰が言ったの?」


「さっきの子」


「あいつマジでいくつだよ」


口では笑ってるけど負けたような気になってる彼が
少しおかしくて、可愛くて。


.


「でも、どうしてここに?」


「丁度あそこで撮影してて空き時間に散歩してたら
お前がナンパ男にちょっかい出されてた」


「放ったらかしにするからだよ。

心配なら首輪つけたら?」


少し嫌味を言ったけど、
本当に考え込む成亮に調子が狂う。


.


「つけちゃおっか…」


彼がポケットの中を漁る。


え、ここで!?


「今こんなのしかねーけど」


ズボンのポッケから出てきたのは
成亮がいつもつけてるネックレス。


「つけて良い?」


彼の目が寂しそうで、儚げで、
頷くことしか出来なかった。

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作者名:ぜりー | 作成日時:2012年12月10日 21時

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