６人目の秘密９ (ページ2)

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side:和也

潤「お疲れ～」

A「最近負けすぎじゃない？私達(笑)」

翔「3連敗くらいしてるしな～(笑)」

雅「そろそろ勝たないとやばいね！」

なんて他愛もない話をしながら、お互いの顔が見えるよう机を挟んだソファーに腰掛ける。
なんとなくさっきから暗い表情の大野さん。
大野さんから話したいことがある。と言うのは凄く珍しい。
だからこそ俺達は少し怖さを感じていたんだ。

翔「で、智くん話ってなに？」

やっぱりこういう話を切り出してくれるのは翔さんなんだよね。

智「うん。」

しばらく俯いていた大野さんは、俺らの目をまっすぐ見てこう言ったんだ。

智「俺、嵐をやめようと思ってる。」

嵐-智『…え？』

時間にしたら10秒もないと思う。
でも俺にとってこの沈黙はすごく長く感じた。

A「え、ちょっと待って。
やめる？ってどうゆうこと？
なんで？智くんが嫌になることが何かあった？」

混乱しているAは取り乱しながら、リーダーにたくさんの質問をした。
そしてそんなAを見て、申し訳なさそうに困った表情をするリーダー。

翔「Aちょっと落ち着いて？
ひとつずつ。ね？」

本当に翔ちゃんは頼りになる。
俺らがどれだけ混乱していても、やっぱり立て直してくれるのは翔ちゃん。

翔「智くんそれは前から考えてたの？」

智「うん。
15周年くらいから考えてた…」

気まずそうななんとも言えなさそうな顔をする大野さん。

潤「それは何かきっかけとかあるの？」

冷静かつ的確に質問をするJ。
きっと全員が気になってることだ。

智「うん。
きっかけというか、これは俺のわがままなんだけど、違う世界も見てみたいなって。
自分のために生きてみたいなって思って。」

＂自分のため＂簡単そうに見えて、この世界で生きていくにはなかなか厳しいことだ。
恋愛をするにも、何か挑戦するにも全て世間の目や世間体を気にして生きていかなければならない。

A「そっか…
うん。ごめん…なんか急でちょっと受け止めきれてないや…
ちょっと外の風当たってくる。」

楽屋から出て行ったA。
きっと泣かないためにも出て行ったんだろう。
泣いてしまったら大野さんが気を遣ってしまうと思ったんだろう。

智「A…」

「ちょっと様子見てくるわ。」

智「うん…ごめん。」

「謝ることじゃないですよ。」

申し訳なさそうに謝る大野さんの肩をポンポンと叩き、Aを追いかけた。