検索窓
今日:4 hit、昨日:0 hit、合計:40,361 hit

大丈夫。弐拾 ページ23

後「あのはこの中に入ってる鬼は、先程の隊士の妹でして、鬼になってから二年以上人を喰っていない、鬼殺隊員として一緒に戦える、と。しかしそれを口頭の説明のみで柱の皆様が納得するはずもなく、もちろん証明しろ、という話になったのです。そこで風柱様があの鬼を三回以上日輪刀で差したくりました」
『産屋敷邸の庭で?』
後「はい………」

御館様になんて御無礼を……そういえば最初の柱合会議も、御館様にとんでもない態度をとっていたが…

後「そして御屋敷に上がり込み…」
『御館様の!?』
後「はい………」
『信じられない………』
後「自らの腕を裂き、鬼の前に突き出しました。風柱様は稀血です。鬼にとってはご馳走…しかしあの鬼は喰いませんでした。風柱様の腕から目を逸らし、そっぽ向いたのです」
『………』

鬼が、風柱の血に耐えた?彼奴の血は、とても強い稀血だ。普通の鬼なら、まず間違いなく喰うだろう。

『……あの二人は、何か違うのかもしれない。ね…』
後「?」
『後藤、ありがとう。柱合会議で柱の前に行ったんだから、精神的にも疲れたでしょ。休んで』
後「はい、そうさせていただきます。失礼します」

一礼して去っていく後藤を見送り、また一人考え込む。

『…人を喰わない鬼。………そんな者がいるなら、きっと鬼舞辻は間違いなくその鬼を追う…』
し「何をブツブツ言っているんですか、Aさん」
『あっ、しのぶ』

いつの間にかしのぶが帰ってきていて、私の横に座っていた。

し「なほから聞きました。私を探してたんですか?」
『あ、そうそう。カナヲのことで』
し「カナヲのこと?」
『あの子、私が話しかけると必ず銅貨を投げるの。なんで?』
し「あぁ、それは…カナヲは自分で判断が出来ないんです。自分で何一つ決められない。そんなカナヲを見た姉が、これを投げて決めたらいいじゃない、って」
『あはは、カナエらしいね。どうせ、カナヲは可愛いから大丈夫よ!とか言ってたんでしょ?』
し「大正解です。さすがの私も呆れましたよ」

苦笑しつつ、少し穏やかな表情になるしのぶ。

『しのぶ、あの隊士と鬼のことだけど』
し「あぁ、竈門くんたちのことですね」
『あの二人は、鬼舞辻を追い詰める鍵になる。…なんとなくだけど、そんな気がしてる』
し「………姉は、鬼と人が仲良くできる。そんな世界を本気で望んでいました。彼らならそれを叶えてくれるでしょうか」

-----

続きます

大丈夫。弐拾壱→←大丈夫。拾玖



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.4/10 (46 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
46人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 夢小説
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

SILK(プロフ) - ツナモソチュロヌさん» 美しい物語だなんてそんな嬉しいお言葉ありがとうございます( ; _ ; ) (2020年3月8日 19時) (レス) id: 7fc337c787 (このIDを非表示/違反報告)
ツナモソチュロヌ(プロフ) - 美しい物語だと思いました(T_T)更新頑張ってください! (2020年3月8日 18時) (レス) id: 3cb3966213 (このIDを非表示/違反報告)
SILK(プロフ) - 水無月さん» ありがとうございますぅぅぅ( ; _ ; )これからも夢主ちゃんを見守ってあげてください( ; _ ; ) (2020年3月8日 11時) (レス) id: 7fc337c787 (このIDを非表示/違反報告)
SILK(プロフ) - 桜さん» ひぃぃ( ; _ ; )こんな作品で泣いていただけるとは嬉しい限りです( ; _ ; ) (2020年3月8日 11時) (レス) id: 7fc337c787 (このIDを非表示/違反報告)
SILK(プロフ) - うりょさん» ありがとうございます( ; _ ; ) (2020年3月8日 11時) (レス) id: 7fc337c787 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:伊太利亜 | 作成日時:2020年2月20日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。