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story346 ページ8

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シュテン「仲良しに見えるのかよ、盆暗王が」


緋龍王「ふふ、私には可愛い龍がじゃれ合ってるように見える」



もちろん、本気で言ったとは思えない。
緋龍王としては軽い冗談だったのかもしれないが………




アビ「王、目洗え」


シュテン「ボケるには早いぞ」




何ともひどい言われようである。

そこにいるのは確かにこの国の王である。
しかし、5人の戦士と緋龍王との間には身分の壁など全くと言っていいほど感じられなかった。
ただ仲間として、思うがままに接しているような、そんな雰囲気だった。




緋龍王「……ゼノ、どうした?」


ゼノ「…王様、俺は軍の指揮とか部族長とか向いてねェよ。誰か他の人間に任せたらいい。

俺は四龍の中で何の力も持ってねェし、戦場で足手まといになるだけだ。表には出てないけどリシスの方がよっぽど………」


シュテン「そいつ、黄龍から頑丈な体をもらったって言うが嘘だぜ」


グエン「この前はコケて擦り剥いてたもんな」




黄龍の能力は傷つかない頑丈な体を持つ事だとされているが、ゼノの体は頑丈な体とは程遠い。
ゼノはまさに普通の人、と言った感じだった。

白龍のように全てを引き裂く鋭い爪も、青龍のように彼方まで見通す目も、緑龍のように天高く跳躍する足もない。
ゼノを見る限り、他の龍のように飛び抜けた力は見当たらなかった。




ゼノ「でも傷の治りは早いから!」


緋龍王「傷の治り?」


ゼノ「おー、傷ついてもすぐ治るから。
これって黄龍の能力だろ」


グエン「若い奴ァすぐ治るもんなんだよ」


ゼノ「違うって、よく見てろよ」




そういうなりゼノは大きく腕を振りかぶる。
そして、近くの岩に自らの手を勢いよく打ち付けた。

ガッ、と鈍い音が響き…ゼノは声にならない悲鳴をあげる。
打ち付けた手からはもちろん、ポタリと血が垂れた。




ゼノ「〜った〜」


シュテン「馬鹿お前、お前馬鹿!何やってんだ!」


リシス「おい診せてみろ、血が出て…」




リシスが怪我を治そうとゼノの手を取る。
しかし、そこにあるはずの傷は……もうどこにも見当たらなかった。

血さえ、その手にはついていない。




リシス「傷が…ない」


ゼノ「な!?すごいだろ」


シュテン「ちょっと待て、よく見てなかった。
もう一回傷つけてやる、この槍で」


ゼノ「わーっ、それは死ぬから!!」




傷が消えた、その表現が正しかった。
まるで元から傷なんてなかったかのように、綺麗さっぱり消えてしまった。

その光景を見た緋龍王は……一人、目を大きく見開いた。

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セレーナ・ラフィーネ(プロフ) - 晴幸@社会不適合者さん» ありがと〜〜!最近この小説書くのが楽しくて頑張ってます…笑 これからもご愛読のほどよろしくお願いしま〜す! (2021年3月16日 21時) (レス) id: 50bf8bc3a8 (このIDを非表示/違反報告)
晴幸@社会不適合者(プロフ) - 何時読んでも良いね、更新愉しみに待機して居るね、これからも。大変だろうけれど、せっちゃんの速度で更新すれば良いと思っているよ。 (2021年3月16日 11時) (レス) id: d3defbd144 (このIDを非表示/違反報告)
セレーナ・ラフィーネ(プロフ) - ソラさん» ありがとうございます!更新はスローペースかと思いますが、これからもご愛読のほどよろしくお願いします! (2020年11月11日 22時) (レス) id: 50bf8bc3a8 (このIDを非表示/違反報告)
セレーナ・ラフィーネ(プロフ) - えりさん» ありがとうございます!大好きな作品だと言っていただけると励みになります…!これからもご愛読のほどよろしくお願いします! (2020年11月11日 22時) (レス) id: 50bf8bc3a8 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ - 応援してます!頑張って下さい!! (2020年11月11日 21時) (レス) id: 59bc6ae80d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:セレーナ・ラフィーネ | 作成日時:2020年11月10日 19時

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