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リシス「……ゼノ?」
ゼノ「うわあっ!……なんだ、リシスか」
ふと、どこか遠くを見つめる黄色の龍を見つけ声をかける。
するとその肩がビクリと大袈裟なほどに跳ねて…リシスは思わず口の端から笑い声を漏らした。
リシス「ふはは、なんだとは酷ェな。
どうしたよ、一点見つめてぼーっとして。
一丁前に考え事でもしてんのか?」
ゼノ「俺、そんな子供じゃないんだけど」
そうだったかー?どこか軽い口調でリシスは笑い飛ばす。
それを見ていたら思わずゼノの口からも笑い声が溢れた。
リシスはゼノの頭をくしゃくしゃと撫で、また笑う。
リシスにとって、ゼノは可愛い弟分のようなものだった。
リシス「何に悩んでんのかは知らねェけど、何かあったら言えよ?相談くらいは乗ってやっから」
ゼノ「リシスは姉貴みたいだなぁ」
リシスはゼノの隣に腰を下ろし、何を言うわけでもなく自らの膝に頬杖をついてそこから見える景色を見据えていた。
その横顔をしばらく見つめたあと、ゼノはゆっくりと口を開いた。
ゼノ「なぁ、リシス」
リシス「ん?」
ゼノ「リシスはさ…、龍の能力を怖いって思ったことある?」
リシス「……。」
ゼノ「俺は…」
リシス「もちろんあるさ。まずこの人とは違う能力を持ってること自体が恐怖でしかねぇんだよ。
特に破壊龍の能力はすごく怖ェ、これは守護龍と違って壊すための能力だからな」
リシスが手を広げると、そこに淡い光が灯る。
その光はやがて…不吉な黒い光へと変わっていった。
リシスの身体に宿るのは守護と破壊の矛盾の力。
全てを守り、壊す力。
ゼノ「それでも向き合ってるリシスはすごいよ。
出会った時からずっと…思ってた」
リシス「ま、これはどっちも私の力だからな。
向き合わなきゃ結局、良いも悪いもわからねぇだろ」
ギュッと、手に浮かんだ光を握りつぶし、リシスは立ち上がった。そして…パッパッ、と服についた埃を払う。
リシス「黄龍の能力は傷の治りが早い…だっけ?
でも無茶はすんじゃねぇぞ、大怪我した時は必ず言え。
この守護龍様が治してやっからな」
ゼノ「………ありがとう、リシス」
ゼノは、どこか切なげな表情で笑う。
.
………それから数日のこと。
緋龍王は眠りについた。
四龍の戦士と守護龍はもう動かない王を想い泣いた。大切な人を失った悲しみなのか、自身の中にある龍神の血が緋龍の死を悲しんでいるのか、彼らにはわからなかった。
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セレーナ・ラフィーネ(プロフ) - 晴幸@社会不適合者さん» ありがと〜〜!最近この小説書くのが楽しくて頑張ってます…笑 これからもご愛読のほどよろしくお願いしま〜す! (2021年3月16日 21時) (レス) id: 50bf8bc3a8 (このIDを非表示/違反報告)
晴幸@社会不適合者(プロフ) - 何時読んでも良いね、更新愉しみに待機して居るね、これからも。大変だろうけれど、せっちゃんの速度で更新すれば良いと思っているよ。 (2021年3月16日 11時) (レス) id: d3defbd144 (このIDを非表示/違反報告)
セレーナ・ラフィーネ(プロフ) - ソラさん» ありがとうございます!更新はスローペースかと思いますが、これからもご愛読のほどよろしくお願いします! (2020年11月11日 22時) (レス) id: 50bf8bc3a8 (このIDを非表示/違反報告)
セレーナ・ラフィーネ(プロフ) - えりさん» ありがとうございます!大好きな作品だと言っていただけると励みになります…!これからもご愛読のほどよろしくお願いします! (2020年11月11日 22時) (レス) id: 50bf8bc3a8 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ - 応援してます!頑張って下さい!! (2020年11月11日 21時) (レス) id: 59bc6ae80d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セレーナ・ラフィーネ | 作成日時:2020年11月10日 19時