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ユリカside
「何者!無礼だぞ!!」
「ま、待て!」
私に武器を向けた里人たちを、少女は制止した。
ユリカ「でも、あなたにその選択をさせてしまったのは間違いなく私ね。ごめんなさい」
ハッと、少女が目を見開く。
そして息を飲むのがわかった。
私を見つめる瞳が揺れ、手は少し震えている。
とても、申し訳なかった。
私の時が止まったあの日から…私はずっと、あなたの事が気がかりだった。
ユリカ「!!」
「生きておられた………!」
少女が私に抱きつく。
それをぎゅっと受け止め、私も彼女の背中に手を回した。
感じる体温が、心地良い。
ユリカ「ごめんなさい……ただいま、シエナ」
シエナ「……おかえりなさいませ、ユリカ様……!」
変わらず迎えてくれることが嬉しかった。
もう、あなたの顔も見れないと思っていたし……この場所に足を踏み入れることもないと思っていた。
過去を振り返り、再び向き合うことは…あまりに怖くて。
私はずっと、ずっと逃げ続けていた。
「ユリカ様が………!」
「生きておられたぞ!」
里人は一様に歓喜の声をあげる。
本当に……待ってくれていたのだとわかると、嬉しさと申し訳なさと、少しの恐怖が入り混じった感情に襲われた。
そして、ふと後ろを見ると、口を半開きにしたまま驚きに立ち尽くしているヨナたちがいた。
ハク「状況が掴めねーんだけど」
ユン「ちょ、ユリカ!どういうこと!?ちゃんと説明してよね!!」
キジャ「何故そなたは守護龍の里の者と知り合いなのだ!」
そう、私は皆んなに話さなければならない。
私のこと、昔のこと、そして神話には存在しない龍のこと。
私はシエナの背中に回していた腕をほどき、旅の仲間たちにまっすぐ向き合った。
ユリカ「申し遅れました、私は神話に存在しない龍の力を持つ者、守護龍…ユリカです」
ヨナ「ユリカが……守護龍?」
私の言葉が信じられないといった様子で、皆んなが目を見開く。
ユリカ「黙ってて、ごめんね」
私は思わず、眉を下げて笑った。
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セレーナ・ラフィーネ(プロフ) - こよみさん» 楽しんでいただけているようで嬉しいです!修学旅行、楽しんできますね!これからもご愛読のほどよろしくお願いします! (2018年11月15日 21時) (レス) id: 5392b90fcd (このIDを非表示/違反報告)
こよみ(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいています!修学旅行楽しんで来てください! (2018年11月15日 19時) (レス) id: 6a1cd785e9 (このIDを非表示/違反報告)
セレーナ・ラフィーネ(プロフ) - 采音さん» そうです!ついに夢主の過去を書けました!これから本格的に過去編に入っていきます!これからも楽しんでいただけるよう更新頑張るので、ご愛読のほどよろしくお願いします!! (2018年10月13日 21時) (レス) id: 5392b90fcd (このIDを非表示/違反報告)
采音(プロフ) - ついに、夢主の過去が!!もう読むの楽しすぎてやばいです!!これからも応援してます!! (2018年10月13日 15時) (レス) id: 617623b2fe (このIDを非表示/違反報告)
セレーナ・ラフィーネ(プロフ) - さらさん» ありがとうございます!ついにジェハも仲間になりました!長かった……笑 これからも楽しんでいただけるように、更新頑張ります! (2018年9月20日 23時) (レス) id: 5392b90fcd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セレーナ・ラフィーネ | 作成日時:2018年9月16日 21時