story111 ページ27
ユリカside
「さっきのクムジ様の話、売るって私達の事……！？」
「嘘……」
女たちは次々と不安を口にする。
そんな中、一人の女が扉に走り、扉を叩いた。
「話が違うわ、ここから出して！！」
出たいと願うのも無理はない。
だけど……今はまだ、ここから出ることはできない。
今はまだ…作戦が決行できるまでは。
「無駄よ」
そう言ったのは背を壁に預けた黒髪の女性。
｢私は二週間前からここに入れられてるのよ、誰も出しちゃくれない。クムジ様にとって、私達なんか道具と同じ。
この町はずっとそういう所だったでしょ？」
その言葉に、誰もが黙りこんでしまった。
たった一人を除いて……
ヨナ「変えたい…と思った事はない？この町からクムジを退け、皆が自由に暮らせるように闘おうと思ったことはない？｣
｢何、あんた、本当にこの町の人間？
そんなこと言うのは外の人間と強い人間、後はよっぽどの馬鹿よ」
ヨナ「………特別強くもないけれど、この町を変えようと命がけで闘っている人たちを私は知ってる」
ヨナの言葉に、私の頬は自然と緩んでいた。
ユン「そんな連中を支えようとするもっと頼りない女の子もいるけどね」
ヨナ「それ誰のこと？ユン」
これに再び私は笑う。
ユンの言葉は的確すぎる。
｢何を言ってるの？誰か助けに来てくれるっての？
そんなバカいないわよ」
ユリカ「それは誰にもわからない。
でも、あなた言うバカが手を差しのべたら…信じてその手を握り返してほしい。生きたいと思うのなら…… 死にもの狂いで生き抜いて。誰かが行動を起こせば、少しずつでも何かが変わる。皆が生きたいと願い…手をとれば…明日、この町は変わる。絶対にね」
何があっても、それだけは信じていたい。
この人たちが生きたいと願うのなら……私は手をさしのべてあげたい。その手を握り返してあげたい。誰の手も…離さないよう、強く握りたい。
今の私たちになら、きっとそれができるから。
.
そして、この会話を最後に……
私たちは目隠しをされ、船へと移された。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 204人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
セレーナ・ラフィーネ(プロフ) - アリスさん» はじめまして！そういう風に思ってくれる方がいるとわかると……本当に励みになります！これからも更新頑張りますので、よろしくお願いします！ (2018年9月5日 7時) (
レス) id: 5392b90fcd (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - はじめまして！投稿がはやく、内容が面白い！サイコーです！！これからも頑張ってください！ (2018年9月4日 21時) (レス) id: f34bad83a4 (このIDを非表示/違反報告)
セレーナ・ラフィーネ(プロフ) - 紫狼さん» ありがとうございます！私自身がジェハとシンアが好きなのでその辺の絡みが多くなってます笑 これからもご愛読のほどよろしくお願いします！ (2018年8月24日 16時) (レス) id: 5392b90fcd (このIDを非表示/違反報告)
紫狼 - ジェハと絡む度、ジェハ推しの私の心臓がやばいです、最高です、貴方様のジェハ最高すぎます...！！！ (2018年8月24日 5時) (レス) id: bb6894edb5 (このIDを非表示/違反報告)
セレーナ・ラフィーネ(プロフ) - 春風さん» はじめまして！コメントありがとうございます！夢主ちゃんが抱えているものもちゃんと考えてます！もう少ししたらだんだんとわかってくると思うので……ご愛読のほどよろしくお願いします！ (2018年8月22日 23時) (レス) id: 5392b90fcd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：セレーナ・ラフィーネ
| 作成日時：2018年7月21日 21時
