story385 ページ5
ユリカside
守護龍と破壊龍、矛盾した力を持つ龍。
建国神話には存在せず、世間からはその存在すら知られていない。
スウォン「矛盾の力を持つ龍…」
ユリカ「あなたは龍の存在を信じるの？」
スウォン「…偽りを言う人たちには見えなかったので」
ユリカ「……あら、そう」
………初め、ヨナとハクの境遇を聞いた時、スウォンは何て冷酷無情な人なのかと思った。
でも、もしかしたら…そうではないのかもしれない。
スウォン「あなたが仕える"緋龍王"とは誰ですか？」
スウォンはそう言ってキジャへと目を向ける。
少しの沈黙の後…キジャはゆっくりと口を開いた。
キジャ「そなたもよく知っている御方だ」
スウォン「………そうですか」
それだけ言って去っていこうとするスウォンを、キジャは"待て"と引き止める。
キジャ「それだけか？緋龍王はこの国を統べる真の王、それはそなたではないと言っておるのだぞ？」
スウォン「……私は玉座に座りたいのではありません。
私の目的はただ一つ、この国を他国に侵されない強国にすること。王になったのはその為の手段です。
四龍の存在は興味深いし否定もしませんが、必要ともしていません。私が欲しいのは神の力ではなく、人の力なのだから」
………思ったよりも、スウォンはすごい人間なのかもしれない。
四龍をいらないと言い切ってしまうのは逆に清々しくてこちらとしても良い気分だけれど。
スウォン「……一つお聞きしたい事があります。
あなた方がここにいるのはリリ様が関係しているのですか？」
キジャ「………ああ」
スウォン「あなた方がいてまだ救出されていないという事は、リリ様はここにはいない……？」
ユリカ「……ええ、おそらくもうひとつの砦よ」
キジャ「ユリカ！」
キジャを大丈夫、と制止してスウォンに向き合う。
おそらくキジャはヨナのことを心配してのことだと思うけど、どちらにしろスウォンが向こうの砦に行くのは避けられない。ならば、少しでも早く二人を助けるために……情報共有は必要なことだ。
ユリカ「ここの兵の数はかなり少なくなったわ、あちらの砦に早く向かった方が良さそうよ」
スウォン「……ありがとうございます」
そうして去っていく後ろ姿を私たちはしばらく見つめていた。
スウォン、あの人はとても芯が真っ直ぐでとても強い人ね。
……話してみて思ってしまった、もしかしたらこの国にとってあの人は必要な存在なのではないかと。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 571人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「原作沿い」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
セレーナ・ラフィーネ(プロフ) - あさん» ありがとうございます！どれだけかかっても完結まで持っていきたいと思っていますので、どうぞご愛読のほどよろしくお願いします！ (2021年8月30日 18時) (
レス) id: 50bf8bc3a8 (このIDを非表示/違反報告)
あ - 何年も前にこの小説を読んで、最近ヨナブームが来てて久しぶりに読んでみたら多くの作者の方が途中で終わっているのにこの話だけは進んでて驚きました！！これからも更新とってもとっても応援してます！！頑張ってください！！ (2021年8月29日 22時) (レス) id: 9bcecfe5b2 (このIDを非表示/違反報告)
あ - 何年も前にこの小説を読んで、最近ヨナブームが来てて久しぶりに読んでみたら多くの作者の方が途中で終わっているのにこの話だけは進んでて驚きました！！これからも更新とってもとっても応援してます！！頑張ってください！！ (2021年8月29日 22時) (レス) id: 9bcecfe5b2 (このIDを非表示/違反報告)
セレーナ・ラフィーネ(プロフ) - ポテトさん» お褒めの言葉、ありがとうございます！これからも楽しんでいただけるようなお話を書いていきますので、ご愛読のほどよろしくお願いします！ (2021年8月24日 20時) (レス) id: 50bf8bc3a8 (このIDを非表示/違反報告)
ポテト - いつ見ても、面白い話ばかりですね！まさに才能の塊ですね！ (2021年8月24日 0時) (レス) id: 59bc6ae80d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：セレーナ・ラフィーネ
| 作成日時：2021年5月4日 21時
