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周りを見渡しても、あの子は居ない。
…クラスくらい、知っておくべきだった。
私はマネ候補にした女の子に会いに行っている。
勿論、Aだ。
「及川せんぱぁい、何で1年のとこに来た
んですかぁ?」
「えー、間近で見ると超おっきいし、
かっこいいですね!!」
「えーっと…ちょっと待って…」
一気に話しかけられたもんだから、対応に
困った。全く、女の子はハイエナのようだ。
「会いたい子がいてさ」
これでも喰らえ、と笑顔をかます。
当の女の子たちは「は?」なんていう
恐ろしい顔で俺を見つめている。
……怖すぎる。
「それって誰ですか?」
「教えましょうか?」
親切に言ってくれるけど、顔は怖い。
ちょっとだけ、面倒臭くなってきた。
「えっと、Aって子、一年にいるよね」
どうでもいいから、早く会いたい。
「あれ、どうしてここにいるんですか」
聞き慣れた声だから、俺は思い切りその声の
した方向に顔を向けた。
「く、国見ちゃん…!!!!!」
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作者名:涼芽 | 作成日時:2016年10月24日 21時